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2025/08/01 |  社員ブログ

最新の建築資材・工法と施工管理への影響

「これ、本当に建物に使えるのかな?」
近年、建築現場で次々と登場している新しい資材や工法を目の当たりにし、そう驚いた施工管理者も少なくないでしょう。

木造ビル、高強度繊維入りのコンクリート、現場で組み立てるだけの部材など。

これまでの常識では考えられない材料や工法が、当たり前のように現場に持ち込まれる時代になってきました。

 

現場は今、静かに、しかし確実に変わりつつあります。
材料はより軽く、工法はよりシンプルに、そして施工はより効率的に進化しているのです。

今回は、最新の資材や工法が施工管理にどのような影響を与えているのか、現場視点で説明していければと思います。

- 目次 -
CONTENTS

1.驚きの新資材、その正体①「CLT」

まずは「建築資材」の進化から取り上げます。
最近話題になっているのが、「CLT(直交集成板)」で、木材なのに「耐火建築物がつくれる」という驚きの材料です。
従来の鉄骨造やRC造に比べて軽量かつ加工しやすい上に、施工期間短縮にも貢献します。

 

現場では、「あれ、木で本当にビルが建つの?」と最初は半信半疑だった人も、完成した建物を見て納得するはずです。

CLTについては以前、2024年6月のコラムでも触れておりますので、よろしければ一度見ていただけると幸いです。

【2024年6月のコラム    木造建築物の今後の可能性について】

2.驚きの新資材、その正体②「コンクリートの進化」

また、コンクリートも着実に進化を遂げています。
「高強度繊維補強コンクリート(SFRC)」は、鉄筋ではなく鋼繊維を内部に混ぜ込むことで、割れや欠けに強い構造体を実現する資材です。
現場での配筋作業を一部省略でき、工程短縮に貢献します。また構造物の形状に合わせた柔軟な施工も可能で、

特殊形状の建築物では重宝されると思います。

 

さらに注目なのが「自己修復コンクリート」です。コンクリートの中に微生物や特殊な材料が混ぜ込まれており、

微細なひび割れが発生しても自動で埋め戻してしまうという、まるで「生きた素材」です。
施工管理者の立場としては「ひび割れ補修」の手間が減る反面、打設後の品質確認の考え方が変わることになると思います。例えば目視での点検ではなく、内部の「自己修復が正しく機能しているか」という視点が新たな管理業務になるかもしれませんし、これら新素材は省力化だけでなく、「現場管理そのもののルールを変える」可能性を秘めていると言えます。

3.工法は「速さ」重視へ

次に「工法」の進化についてです。

ここ数年で急速に浸透してきたのが「プレキャスト工法」です。
この工法は柱や梁、壁などを工場で製作し、現場では組み立てるだけという、まるで「現場が組立工場」のようになるものです。
従来の現場打設と比較して、工期が大幅に短縮され、現場作業員の人手不足対策にも効果を発揮しています。
ただし、管理者の仕事としてはむしろ「前倒し」になります。施工前から発注量の算定や設計との調整が必要になり、現場での臨機応変な調整が効きにくくなります。「現場で何とかする」が通用しないのがプレキャスト工法ですので、事前準備の質が大きく問われる工法と言えます。

そして、忘れてはならないのが3Dプリンター建築です。海外ではすでに住宅が出力されていますが、日本でも実験施工が進行中です。設計データがそのまま構造物になるこの技術では、施工管理者は「図面」ではなく「データ」と向き合うことになるかもしれません。

4.まとめ:これからの施工管理とは

いかがでしたか?

これら最新技術は、今後施工管理者に何を求めるのでしょうか。
答えは「段取り力」と「調整力」です。材料や工法がいくら進化しても、それを使いこなすのは人間です。
プレキャスト部材の精度は高いですが、運び方や組み立て順序を間違えれば計画通り進みません。CLTの建物も、従来とは異なる工程管理が必要です。現場はどんどん機械化・合理化されつつありますが、最後に現場を動かすのは「人と人の調整」です。

 

また、技術の進化に合わせて管理者自身の学びも求められます。施工方法の変化を「面倒」と捉えるか、「面白い」と感じるか。

ここに、施工管理という仕事の奥深さがあるのかもしれません。
では、10年後の現場はどうなっているのでしょうか。AIが工程表を自動生成し、重機は無人で動き、

材料は全て工場製作。現場では管理者1人とロボット数台、という時代が来るのかもしれません。

 

しかし、おそらく完全自動化にはならないと思います。なぜなら、建築は「場所と人に合わせて作る」仕事だからです。

施工管理者はこれからも必要です。ただし役割は「作業指示」から「技術の選択と調整」へと進化していくはずです。

技術の進化に戸惑うことはあっても、新しい材料や工法に触れることで、施工管理者は常に建築の「次の当たり前」に関わっているとも言えます。仕様変更や段取りの工夫が求められる場面は増えていますが、そうした変化に前向きに取り組むことが、

管理者としての成長にもつながるはずです。

 

建築現場は、いつの時代も少しずつ形を変えながら動いています。最新の技術をうまく活かせるかどうかは、現場ごとの工夫次第です。

これからの現場管理においても、“変わっていくこと”を自然に受け入れる姿勢が、大切になってくるのかもしれません。