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2021/06/01 |  社員ブログ

介護施設の建築工事について~第3部~

こんにちは。建築管理部の沖見です。
今回も前回の投稿(2020年11月6日投稿)に引き続き「かんたき」という略称で呼ばれる「看護小規模多機能型居宅介護」という種類の介護施設の新築工事(堺市)についてご紹介させていただきます。
第1部(2020年4月10日投稿) 着工~基礎工事
第2部(2020年11月6日投稿) 床組み~上棟
とご紹介させていただきました。
今回、第3部(2021年5月29日投稿)は上棟後の屋根工事、外壁工事、断熱工事、設備工事をご紹介させていただきます。
今回の投稿で完結する予定でしたが、次回も本工事についてのご紹介を続けさせていただきます。

- 目次 -
CONTENTS

1.屋根工事

上棟後、木材が雨などで濡れることをできるだけ防ぐために屋根工事を行います。
まず、屋根の下地となる野地板を設置し、その上にアスファルトルーフィング(写真左)という防水シートを設置していきます。アスファルトルーフィングを施工する際は、後々雨漏りが発生しないように、細心の注意を払う必要があります。

その後、屋根の仕上げ材を設置していきます。本工事では「ガルバリウム鋼板」を採用しました。ガルバリウム鋼板とはアルミニウムと亜鉛、シリコンによってメッキ加工された鋼板です。錆びにくい、防水性が高い、断熱性が高い、メンテナンスが容易等のメリットがあります。ガルバリウム鋼板は、リフォームにより屋根をリニューアルする場合に、状態にもよりますが既存の屋根材の上から施工することもできるため大変便利な品物となっております。

ガルバリウム鋼板の他には、化粧スレート、、粘土瓦、コンクリート瓦などが主な屋根の仕上げ材として使用されます。それぞれデザインや予算によって仕上げ材を決めて施工していきます。

2.外壁工事

屋根工事が完了すれば、外壁工事へと移っていきます。
まず構造用合板を建物の外側に貼っていきます。その構造用合板に建物外部からの雨水の浸入を防止する防水性と、建物内部に生じる湿気を外部に逃がす透湿性を兼ね備えた「透湿防水シート」を貼ります(写真左)。このタイミングで窓のサッシも取り付けますがサッシを取り付ける際は、サッシのサイズ・設置場所に間違いがないか確認を行います。万が一仕上げ材を貼ってからサッシの間違いに気づいた場合、仕上げ材を外して改めて取り替えなければいけなくなるため、このタイミングでのサッシの位置・寸法の確認は必須事項となります。
その後、外壁材を貼っていきますが、本工事では外壁材に「サイディング」を採用しました。サイディングは工場生産品で、パネル形状になっており品質にムラがなく、コストパフォーマンスに優れ、工期も短縮される等メリットが多い外壁材です。
サイディングの他には、モルタル、ALC、タイル等が外壁材として使用されます。
右側の写真が外壁工事の施工中の写真です。紺色の壁の部分がサイディングを貼り終えた箇所で、その左右の白い部分はサイディングを貼る前の透湿防水シートが露出している状態です。
その後、サイディング1枚毎の隙間に「コーキング」と呼ばれる弾性に富んだ樹脂系の充墳材を埋めていきます。このコーキングは外壁の隙間を埋め、気密性や防水性を高める役割を持ちます。
また、この外壁工事のタイミングで屋根から流れてくる雨水を排水するための樋(とい)を取付していきます。軒先に横方向に設置する樋を「軒樋(のきとい)」、軒樋から地面に向かう縦方向の樋を「竪樋(たてどい)」と呼びます。
外壁工事が完了すれば足場を解体していきます。

3.断熱工事

外壁工事と並行して内部工事も進めていきます。
まず、「グラスウール」と呼ばれる断熱材を柱と柱の間と直接屋根に面する部分の天井裏に設置していきます(写真参照)。断熱材は建物内と建物外の熱を遮断し、夏の熱気も冬の冷気も外気が建物内に侵入しないようシャットアウトします。
また、冷暖房で調節した室内の空気を外に逃がさないようにもなっており、室内で快適に過ごすための重要な役割を担っております。
グラスウールの原料は「リサイクルされたガラス」です。環境保護と資源の再利用ができるため環境に優しい建材です。リサイクル品であるためコストも抑えることができ、ガラスはもともと耐久性が高いため、経年劣化が起きにくく、は不燃性の素材であるため、万が一隣地で火事が起こったとしても延焼を防いでくれます。
グラスウールの以外の断熱材はロックウール、セルロースファイバー、ウールブレス(羊毛)等があります。

4.設備工事(仕込み)

この辺りから、電気、消防設備、給水、排水、空調、換気等の設備工事も並行して行っていきます。天井裏や壁内、床下等に電気配線、給水管、排水管、空調・換気のダクトの仕込みを行います。
電気工事における仕込みは、照明器具や、コンセントが設置される位置までの配線に加え、弱電設備(TV共聴設備・電話設備・インターホン設備・LAN配線設備等)の配線を行います。
また、消防法に基づいて必要となる、スプリンクラーや、火災報知器、誘導灯等の仕込みも行います。
給水工事では、キッチンやお風呂、トイレなどで蛇口から新鮮な水を出すための給水管を配管し、排水工事では生活排水を流すための排水管を配管します。
また、天井付けの業務用エアコンのための空調設備に関わるダクト、屋内の汚れた空気と屋外の新しい空気を入れ替える為の換気設備に関わるダクトの仕込みを行います。
仕込み工事の際は、複数の設備業者さんが現場に入る為、作業中に各社が入り乱れないように入念に打合せを行い作業の段取りを決定していきます。

今回のご紹介はここまでになります。
建物の外観の仕上げとなる屋根と外壁、各設備工事における仕込みについてのご紹介をさせていただきました。次回は、内部の造作工事からを説明させていただきます。