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2024/04/19 |  社員ブログ

堺市老人ホーム(鉄骨造)第4部

こんにちは。建築管理部の沖見です。
堺市で建築した鉄骨造の老人ホームについて、2022年11月からご紹介させていただいておりますが、今回の紹介で第5部になります。
前回の投稿では「屋上防水工事」から「内装下地工事」の説明をさせていただきました。今回はその続編となり、「内装下地工事」が完了した後の、「内装仕上工事」のご紹介となります。

- 目次 -
CONTENTS

1.内装仕上工事~クロス工事~

内装仕上工事とは、壁や天井、床の直接目に見える部分仕上を施工する工事のことを言います。

壁や天井、床はそれぞれその箇所に適した仕上材を選定致します。壁や天井は多くの場合「ビニルクロス」と呼ばれる仕上材を貼っていきます。
ビニルクロスとは、ポリ塩化ビニルをシート状にした壁紙のことです。 表面に型押し加工やプリント加工ができ、木目調や織物調、大理石調など、デザインが豊富にあるのが特徴です。多くの建築現場ではこのビニルクロスが壁や天井の仕上げ材として使われます。
このビニルクロスは前回(2024年1月5日投稿)ご紹介した内装下地工事において施工した石膏ボードの上に貼っていきます。
予算によってはこの石膏ボード自体に化粧を施した、化粧石膏ボード(ジプトーン)を天井の仕上げとして使用する場合もあります。
本現場においては、お施主様・設計担当者のこだわりもあり、天井の仕上げは全てビニルクロス仕上と致しました。

2.内装仕上工事~長尺塩ビシート~

床の仕上げはフローリングや長尺塩ビシート、タイルカーペット、畳など用途によってさまざまな仕上材を使用します。

 

豊和開発で建築したほとんどの物件では、デザイン性、機能性、メンテナンス面などさまざまな側面から長尺塩ビシートをメインの床仕上材として使用してきました。コスト面や施主様の要望により、部分的にタイルカーペットや畳などを使用することもあります。

本物件においては事務所のみタイルカーペットを使用致しましたが、その他の共用部、入居者様の居室においては長尺塩ビシートを使用致しました。

まずは、ほとんどの部分で使用した「長尺塩ビシート」についてご説明させていただきます。
長尺塩ビシートとは、塩化ビニル系床材で、プラスチックシートのことを呼びます。表面のデザインを数多くの種類から選ぶことができるので、床をさまざまな印象に変えることができます。

例えば、コスト的には長尺塩ビシート仕上よりもはるかに高いフローリングのような木調や大理石調などのデザインも選ぶこともできます。

さらに長尺塩ビシートは、硬質素材なため質感が出やすく、本物と見間違えるような木彫や石調にすることもできます。

このデザイン性の高さから、広くさまざまな場面で使われています。また、メンテナンス面でも汚れにくい素材でできているので、簡単に汚れを落とすことができ、日々の清掃作業が容易です。

 

施工方法についてですが、長尺塩ビシートは名前の通り1枚が長尺で巻物にされているシートです。通常規格としては1820mm×20m(重さにして約110キロ)の一巻で現場に運ばれてきます。20mの巻物を床に貼っていくというイメージを持っていいただければわかりやすいと思います。
まず、長尺塩ビシートを貼る前に、床下地と強固に接着する為、接着剤を塗っていきます(写真①)。

鉄骨造の多くでは写真のようにスラブと呼ばれるコンクリートの床の上にシートを貼りますが、木造になるとこ合板と呼ばれる木の板を貼り合わせた下地の上にシートを貼ることになります。
写真は接着剤にムラが出ないよう、職人が丁寧に接着剤を塗っている最中です。
この接着剤を塗終えれば、長尺塩ビシートを貼っていきます。シートに凹凸が出ないよう、写真のように丁寧にローラー掛けをしていきます(写真②)。
また、1820㎜×20mと規格が決まっている為、どうしても継目が出てしまいます。その場合、溶接棒と呼ばれる専用の目地材で溶接し、継目が捲れないようにしていきます(写真③)。
長尺塩ビシートを貼終えれば、壁と床の間に巾木と呼ばれる、仕上材を貼って、壁と床の間の隙間からホコリや隙間風が抜けてくるの防ぎます(写真④)。

3.内装仕上工事~タイルカーペット~

前述した通り、本工事においては事務所内の床のみタイルカーペット仕上と致しました。
事務所などで多くのOA機器を使う場合、配線を床上ではなく床下に収納し、配線につまづくことによる怪我や、コンセントが抜けてしまうといったトラブルを防ぐ為にOAフロア(写真①)という工法を採用することがあります。

OAフロアは写真②のように床の仕上がり面とコンクリートスラブの間に空間を設けて二重床のような構造にし、その空間内に配線を納めることができます。
本工事ではこの5㎝高のあるOAフロアを採用し、その上にタイルカーペットを敷き詰めました。タイルカーペットを敷く際はこのOAフロアに、長尺塩ビシートの施工と同じように接着剤を塗り(写真③)、その上からタイルカーペットを敷いていきます。タイルカーペットは長尺塩ビシートと違い、巻物で現場に搬入されるのではなく、30㎝四方や45㎝四方の正方形になっており、1枚1枚をフロア内に敷き詰めていくという施工方法になります(写真④)。

4.まとめ

今回のコラムでは内装下地工事が完了した後の、内装仕上工事のご紹介を行わせていただきました。
内装仕上工事は、完成時に実際に目に見える部分の工事になりますので、その仕上がり具合で工事の品質が評価されることになります。
豊和開発では毎回、引渡し前にお施主様や運営者様、社内や関係業者による完了検査を行っておりますが、その際に一番指摘を受けるのが、今回紹介した内装仕上工事の部分になります。

ですので私たちも内装仕上工事の際は品質管理により気を配り、施工管理を行います。
また、工事終盤で現場内に多くの業者が入っていたり、職人もバタバタしてしまうケースも多い時期になりますので、できるだけこの内装仕上工事の工程に余裕ができるようにそれまでの各工程を早め早めに前倒しすることを工程管理の中で心掛けています。
内装仕上工事が終わればいよいよ工事も残りわずかです。
本コラムでの工程紹介も次回で最終になると思いますが、どうぞ最後までお付き合いをよろしくお願いいたします。