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2025/03/28 |  社員ブログ

建築の評価制度

豊和開発では新築の建物を設計する事がほとんどです。建物をお施主様にお引渡しするまでに、建築基準法や消防法、各行政の定める条例の審査・検査を受けています。それ以外にも建築物の性能や品質を評価するための制度が様々あります。例えば、環境性能や安全性、快適性といった内容について細かく性能を数値化し評価していきます。今回はそれらの代表的なものを幾つか紹介していければと思います。

- 目次 -
CONTENTS

1.耐震・安全性の評価

地震や災害時の建物の安全性を評価する制度には、住宅性能表示があります。「住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)」に基づき以下のような項目について、評価方法基準に従って住宅の性能評価を行い、その結果を「住宅性能評価書」として交付されます。評価書の交付を受けた住宅は、住宅ローンの金利引き下げや地震保険料の割引等を受けられる場合があります。

 

 1.構造の安定性(耐震性) 地震などの力に対する建物の安全性を評価。
 2.火災時の安全性(耐火性) 火災時の建物の安全性や防火性能を測定。
 3.劣化軽減 建物がどのくらい劣化しにくいかを評価。
 4.維持管理と更新の容易性 建物の維持管理や修理のしやすさを評価。
 5.断熱性能・省エネルギー性能 エネルギー効率や断熱性能を評価。
 6.空気環境 室内の空気の質や換気性能。
 7.音環境 防音性能など、音に関する快適性。
 8.高齢者等への配慮 バリアフリー性能についての評価。

 

この中で特にお施主様が気にされていると感じる項目は耐震性についてです。耐震性については、、柱や梁、主要な壁、基礎などの構造躯体の強さを評価したり、構造躯体の強さを十分に発揮するための前提となる基礎や地盤に関する情報を表示します。

地震に対する構造躯体の倒壊、崩壊等のしにくさや地震に対する構造躯体の損傷の生じにくさを等級1~3の3段階に分けて表示されます。耐震等級1とは、建築基準法で定められいる、地震力に対して耐えられる最低限の耐震性能で、震度6強~7の地震でも倒壊はしないレベル。耐震等級2は、耐震等級1の1.25倍の耐震性能で、震度6強~7の地震でも倒壊せずかつ、一部の補修程度で住み続けられるレベル。耐震等級3は、耐震等級1の1.5倍の耐震性能で、震度6強~7の地震でも損傷がない場合又は軽い補修程度で済むレベル。となっています。

一般的な建物は、建築基準法の審査を受けていますので等級1以上と言えます。等級2や3は、避難所や防災施設関係の施設に求められるレベルです。

2.建物の環境性能やエネルギー効率を評価する制度

建物の環境性能やエネルギー効率を評価する制度に「CASBEE」(建築環境総合性能評価システム)と制度があります。CASBEEは、建築物の環境性能で評価し格付けする手法です。省エネルギーや環境負荷の少ない資機材の使用といった環境配慮、室内の快適性や景観への配慮なども含めた建物の品質を総合的に評価するシステムです。

評価結果は「Sランク(素晴らしい)」から、「Aランク(大変良い)」「B+ランク(良い)」「B-ランク(やや劣る)」「Cランク(劣る)」という5段階のランキングに分かれています。

CASBEE-新築、CASBEE-既存、CASBEE-改修の3種類があり、新築建物だけではなく既存建物や改修工事後の評価も対象になっています。CASBEE-新築は、設計者が、設計期間中に評価対象建築物がどれだけ快適で魅力的な環境を提供できるか、環境負荷をどれだけ少なく出来るかを算出し、環境効率を向上させるための自己評価チェックをすると共に、設計仕様と予測性能に基づき評価を行います。CASBEE-既存は、竣工後1年以上の運用実績に基づき評価を行います。CASBEE-改修は、ESCO事業(建設費、金利、事業者の経費を省エネルギー改修で実現する光熱水費の削減分で賄う事業)や既存建物の改修への利用、既存建物の改修後の環境品質や環境負荷の低減性の評価を行います。

CASBEEの認証を取得すると、認証書や認証票が交付され、認証物件であることを明示することができるだけでなく、高い環境性能であることを公式な結果としてアピールすることができます。CASBEEの評価結果を広告物やウェブサイトに自由に使用する事ができます。

3.おわり

今回ご紹介させて頂い物では代表的な制度の一例ですが、他にも、住宅の省エネルギー性能を評価するZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)や長期にわたり住宅の維持保全に関する計画を所管行政庁が認定する長期優良住宅認定制度などもあります。評価、認定を受けた建物は、税制・融資の優遇処置や補助制度の適用がされるといったようなメリットがあります。

このような制度の評価・認定を受けることにより建物の各性能向上に繋がると共に、税制や補助制度の優遇措置を受けられる事もありますので、お施主様のご相談に応えられるよう幅広い知識を備えるよう努力していきたいと思います。

また、住宅等建物を建てられる際にこういった制度がある事を知って頂けると、資産価値の高いより良い建物を建築して頂く事に繋がるかと思います。