豊和開発 土地活用に
グッドアイデア

- コラム -
COLUMN

HOME › コラム › 貸借対照表について

2025/01/10 |  社員ブログ

貸借対照表について

こんにちは。豊和開発株式会社 経営企画部の村上です。私は、部内で主に経理を担当しております。

経理業務の一つに、財務諸表の作成というものがあるのですが、この業務は経理の業務の中で最も重要な業務の一つとなっております。

財務諸表は会社の財政状態及び経営成績を示す書類であり、経営者はこの書類で会社の現状を把握し最適な経営判断を行います。
その為、財務諸表の作成はとても重要な業務となっているという訳です。
今回は、この財務諸表のうち、貸借対照表を取り上げたいと思います、まずは財務諸表とはどのようなものか触れていきます。

- 目次 -
CONTENTS

1.財務諸表とは

財務諸表は、会社が、事業年度ごとに利害関係者(ステークホルダー)に公開する為に作成する財政状態・経営成績をまとめた書類でもあります。利害関係者とは、株主や資金の融資を受けている金融機関等のいわゆる投資家と債権者となります。

 

財務諸表は、一般に公正妥当と認められる企業会計のルールに従って作成する必要があるもので、貸借対照表、損益計算書、キャッシュ・フロー計算書、株主資本等変動計算書、附属明細表の5つを指します、そのうち、貸借対照表、損益計算書、キャッシュ・フロー計算書は「財務三表」といわれる重要書類となり、貸借対照表と損益計算書は、企業の規模にかかわらず作成が必要となります。キャッシュ・フロー計算書は上場企業のみ作成が義務付けられています。
次に貸借対照表の中身について見ていきます。

2.‘‘B/S’’という言葉を聞いたことはありますか?

貸借対照表は図の通り左に資産、右に負債及び純資産を表示しており、左右の数値は一致します。このことから英語表記でBalance Sheet(バランスシート)、略してB/Sと呼ばれています。
【資産】
■流動資産       現金・預貯金・売掛金・受取手形・商品等
■固定資産
 有形固定資産   建物・土地・備品(パソコンなど)・機械装置等
 無形固定資産   ソフトウェア・電話加入権等

【負債】
■流動負債       買掛金・未払金・支払手形等
■固定負債       借入金・社債等

【純資産】        資本金・資本剰余金・利益剰余金・自己株式等

 

 

資産とは、簡単にいうと現金及び換金可能な現金以外のものとなります。なお、売掛金とは、商品・サービスを提供し、対価として将来的に金銭を受け取る権利をいい、受取手形は商品・サービスを提供した際に受け取る書類で満期日と取引銀行が指定され、期日が来れば指定された銀行へ持ち込むことで支払いを受けることができます。
次に負債ですが、こちらは簡単にいうと返済義務のあるものです。買掛金は商品や原材料を仕入した際に対価を支払わず将来的に金銭を支払う義務をいい、未払金は、仕入以外の物の購入やサービスを受けた際の対価の支払義務をいいます。
資産も負債もこれ以外にもあるのですが、代表的なもの、聞きなじみのあるものを列挙しました。
最後に、純資産ですが、会社設立時に出資される資本金、設立後の株式発行等の資本取引によって生じた資本剰余金、営業活動により獲得した利益のうち会社内部で積み立てたものである利益剰余金、株式発行後に買い戻した株式である自己株式などの返済義務のない資産が純資産となります。
次に貸借対照表を作成するとどういうことが分かるのかを見ていきたいと思います。

3.貸借対照表から分かること

流動比率  
流動比率(%)=流動資産÷流動負債×100
現金及び1年以内に現金化される予定の流動資産と、営業活動により発生した債務のうち、1年以内に返済する予定の流動負債のバランスを見ることで会社の短期的な債務の支払能力を見る指標となります。流動比率が高い会社とは短期的に返済すべき債務に対して早期に現金化を図ることが出来る会社という事になり短期的な支払い能力に問題のない状態ということになります。なお、一般的には流動比率120%以上が望ましいと言われています。
例)流動資産5,000 、流動負債4,000
5,000÷4,000×100=125%→何かあった場合は資産で負債をカバーできるため安定している状態

 

 

固定比率
固定比率(%)=固定資産÷純資産×100
建物・土地・備品・機械装置等の固定資産と呼ばれる資産は使用することで利益を生み出すことを目的にしている資産となります。そして固定資産は長期にわたって使用することを想定している為、すぐに換金することはありません。その為、固定資産は返済義務のない資産である純資産で購入することが望ましいという事になり、固定資産と純資産のバランスを見て会社の固定資産に対する投資の状態を確認する事が出来ます。なお、固定比率が100%以下であれば固定資産をすべて返済義務のない純資産で調達できていることを意味する為、長期的にみて安全性の高い状態であるという事になります。
例)固定資産5,000 、純資産6000
5,000÷6,000×100=83%→固定資産が返済義務のない純資産で調達できている為安定している状態

 

 

自己資本比率
自己資本比率(%)=純資産÷総資本×100
返済義務のない資産である純資産と返済義務のある負債の合計である総資本のバランスを見て会社の財務安全性を分析する指標となります。
自己資本比率は総資本(負債+純資産)のうち純資産の占める割合なので、純資産が多いほど自己資本比率は高くなります。自己資本比率が高い状態とは全体から見て返済義務のない資産である純資産が多い状態である、すなわち金融機関からの借入金や支払うべき負債が少ない状態という事なので会社経営が安定しているといえます。その為、社会情勢により経済が不安定になった際にも乗り越えることができる状態であるという事です。なお、30%以上が望ましく50%以上は一般的に優良企業とされます。
例)純資産6,000 、総資本10,000
6,000÷10,000×100=60%→返済義務のない純資産が資金調達全体の50%以上を占めているので安定している状態

4.最後に

このように貸借対照表を見ることで様々な視点から会社を分析することが出来るので経営者にとっては、経営判断に役立つと共にこれらをチェックしておき優良な状態を保っておくことで、銀行等の金融機関から融資を受け易くなるため、ビジネスチャンスを逃さず迅速な企業行動を起こすことが出来るのです。