豊和開発 土地活用に
グッドアイデア

- コラム -
COLUMN

HOME › コラム › 福祉施設に欠かせない【福祉まちづくり条例】について

2023/03/10 |  社員ブログ

福祉施設に欠かせない【福祉まちづくり条例】について

 こんにちは、豊和開発株式会社 設計監理部に所属している長浜と申します。本記事をお読みの皆さんは建築計画を行うにあたって、福祉施設等はどのような条件でプランを検討するのか、どのようなことに考慮すればいいのか、と考えたことはありませんか?私は豊和開発に入社し、これまで有料老人ホーム・障がい者グループホーム・通所介護(デイサービス)・保育所の設計監理に携わってきました。その経験の中で、今回は建築計画を行うにあたって、決して無視する事はできない「福祉まちづくり条例」とはどのような条例なのか、本記事で紹介させて頂きたいと思います。

- 目次 -
CONTENTS

1.福祉まちづくり条例とはどのような条例か。

まずは、福祉まちづくり条例とはどのような条例か、どのような事を守らないといけないのかを説明させて頂きます。
高齢者や障害者を含めたすべての人が、安全、安心、快適に暮らし、訪れることができるまちづくりを進めることを目的として制定された条例で、戸建てや集合住宅などの住宅設計では福祉まちづくり条例の適合義務はなく、一定規模の特定施設が対象になってきます。。
詳細な内容は、各行政によって決められており、なぜ各行政ごとに条例が変わるのかというと、その地方の自然的社会的条件の特殊性により、国の定めた措置のみでは、建築物のバリアフリー化が十分には達成できないと国土交通省が判断した為です。

2.福祉まちづくり条例について

今回は、大阪福祉まちづくり条例の内容について説明したいと思います。
大阪府は、高齢者や障害者を含めたすべての人が、安全、安心、快適に暮らせる建築の設計を求められた為、条例の内容も事細かく決められています。
敷地内の通路・出入口・廊下等・階段・傾斜路・エレベーター・エスカレーター・便所・駐車場・ホテル又は旅館の客室・浴室等・案内設備・案内設備までの経路・子育て支援設備・造作設備・内装等知的障がい・精神障がい(発達障がい含む)支援設備・避難設備等・バリアフリー情報の公表
の整備が対象になっています。
それぞれの建築基準法上の用途に合った建物の整備を求められます。
建築計画時に対象の整備に沿った設計ができているか確認を怠ると
計画は成り立たないといったことになりかねません。
それくらい福祉まちづくり条例は大切なことなのです。

3.福祉施設の設計を行うにあたって注意するとこと。

それでは、福祉施設の設計を行うにあたって、注意すべき具体的なポイントをご紹介していきます。
福祉施設の間取りのプラン二ングにあたっては、
駐車場:車いすを使用している者が円滑に利用できる駐車場の配置、広さにゆとりを持った専用の駐車スペースを設けれているか。また、建物への移動がしやすいよう、出入口近くに設けているか。
出入口へのアプローチ:安全や利用のしやすさを配慮しているか、また自転車置場なども、通行の妨げにならないような位置に設け、車いすなどでも利用できるよう、段差を設ける場合は、スロープを設けているか。
玄関まわり:エントランスに車椅子が回転できる広いスペース(150cm以上)がとれているか、といったポイントがあります。
目の悪い方が入居される場合:視覚障害者用ブロック等を設け、敷地内通路からエントランスまで安全に移動することが出来る建物の配置になっているか。
各居室:開き戸は避け、車いす使用者でも開けやすい引き戸で計画を行い、車いすが通れる有効85cm以上の幅員を確保ができているか。
廊下:建物の用途に応じて有効な幅員がとれる間取りにします。
階段:建築物の用途によって蹴上・踏みづらの大きさが変わってきます。その為、建物の用途に応じた建物で階段の幅をプランに反映させます。
エレベータ―:建物の用途に応じたエレベーターの定員になっているか、開口部が80cm以上であるか。また、入り口前に150cm以上のスペースを設けるように計画します。
多目的トイレにつきましては、車椅子使用者がその場で回転できるよう、
直径180cm以上の円が内接するスペースが確保が求められます。
その他にも多くの条例があり、設計のプランニング段階での適合が必須となりますので、各行政庁の福祉まちづくり条例の確認を徹底しプランに反映させることがとても重要になります。

4.まとめ

福祉まちづくり条例は高齢者や障害者を含めたすべての人が、安全、安心、快適に暮らせるような条例になっています。本条例がいかに重要な条例なのか、この記事を考えながら私自身も再認識する切っ掛けとなりました。
また、福祉まちづくり条例以外にも検討すべき条例は数多くあります。
私も設計職に就いて2年目となりますが、分かりない条例等もまだまだ数多くあります。
日々設計職を通じて今の条例や法律が人の暮らしの安全を守っていると感じております。
私も社会に必要とされる建物を設計する建築士になれるよう、日々学びながら新しい分野に挑戦する向上心を忘れず、努力してまいります。