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2024/01/06 |  社員ブログ

堺市老人ホーム(鉄骨造)第4部

こんにちは。建築管理部の沖見です。
今回も、引き続き、堺市で建築した「老人ホーム」の工程について振り返って行きたいと思います。
今回でいよいよ第4部となります。
前回の投稿では「外壁工事」の説明をさせていただきました。今回はその続編となり、屋上防水工事から内装下地工事までの建築工程です。
防水工事は、雨漏りの発生を防ぐ為に重要な工事になります。雨漏りが発生してしまえばお客様に多大なご迷惑をお掛けしてしまうことになりますので、建築管理部としても、最重要事項として品質管理を徹底して実施しております。
また、内装下地工事についても、お客様が普段目にされる内装仕上げに大きく影響を与えてしまう工事になりますので、建築管理部としても下地の施工段階から、入念にチェックしていく必要がります。

- 目次 -
CONTENTS

1.屋上防水工事

本工事では、屋上防水の施工方法として、アスファルト防水という工法を採用致しました。
アスファルト防水は熱(220~270度)で溶かした防水工事用アスファルトで、アスファルトルーフィングシートを密着させ積み重ねていき防水する工法です。
アスファルト防水工事の施工手順としては、まず下地(本工事では屋上はコンクリートスラブ)の清掃と、排水ドレン(屋上に溜まった雨水を竪樋に流す排水口)を設置します。
その後、アスファルトルーフィングシートの密着性を高める為にプライマーを塗布し、その上からアスファルトルーフィングシートを貼っていきます(写真①)。
アスファルトルーフィングシートは二層以上積層して貼っていくため、防水工事用アスファルトを溶解機で溶かし、アスファルトルーフィングシートを貼り固ます。
そうすることによって強固な防水性能と耐久性を保つようになるのです。
排水ドレンや、屋上と外壁の境界部分にある立上りの部分は特に雨漏りの危険性が高まる為、入念に施工していきます。
また、アスファルト防水の場合は、雨水を排水ドレンに円滑に流す為、1/50以上の勾配が必要です。雨水が屋上に溜まり、水が抜けない状況が続くことも雨漏りの危険性を高めますので注意が必要です。(写真②が防水完了写真)
最後に、屋上防水工事が完了すれば、水を貯めて時間を置き、どこかから水が抜けていないか、水張り試験を行います(写真③)。

2.内装下地工事~LGS工事~

屋上で防水工事が行われている最中、内部では内装の下地工事が行われています。
内装下地工事とは、内部の壁や天井を造る工事になります。内装下地工事が終われば、造り上げた壁や天井に内装仕上材を貼っていくようになります。
内部の壁や天井を造る為に、まず、その骨組みとなるLGSを組みます。LGSは「Light Gauge Steel」の略で、和訳の通り、Light=軽い、Gauge=規格された、Steel=鉄骨 を意味します。
規格というのは、LGSにはいくつかの決められた寸法があり、50形、65形、75形、90形、100形と規格されています。
床から垂直方向のLGSを「スタット」、床から並行方向のLGSを「ランナー」と呼びます。
スタットの長さによって、使用するべき形が変わっており、 産業製品に関する規格や測定法などが定められた日本の国家規格(JIS規格)に適正規格が定められています。
また、スタットのピッチ(間隔)についても30㎝や45㎝など、状況に応じた組立の適正ピッチがあり、それに基づき、施工していきます。
LGSが組み終わればボードを貼っていきますが、ボードを貼る前に廊下幅や天井高さ等が図面通りにときちんと確保出来ているか確認を行います。

3.内装下地工事~ボード工事~

LGS工事が終われば、組み立てたLGSにボードを貼っていきます。
ボードは石膏ボード(プラスターボード)の略称です。
石膏ボードは、石膏(硫酸カルシウムと水からなる鉱物)をしん材とし両面を石膏ボード用原紙で被覆成型した建築用内装材料で、防火性、遮音性、寸法安定性、工事の容易性等の特徴をもち、経済性にも優れていることから「なくてはならない建材」として建築物の壁、天井などに広く用いられています。
このボードには通常の石膏ボードの他にいくつか種類があり、ボードの両面に防水加工を施した「耐水石膏ボード」と呼ばれるものや、表面に塗装加工や装飾加工を施した化粧石膏ボード(ジプトーン)もあります。化粧石膏ボードはクロス等の仕上材を貼る必要がなく、コストを削減することが可能で、天井の仕上材としてもよく使用されています。(写真①がボード貼が完了した写真)
また、ボードとボードの継目の部分や、ボードとLGSを固定するために打ったビス穴の部分にはパテという塗材を塗り込み、凹凸をなくし、仕上げ材を綺麗に貼る為の処理を行います(写真②)。パテの仕上りが悪いと、その上に貼る仕上材にも影響を及ばしかねない為、パテが滑らかに凹凸なく塗られているかどうか、建築管理部としても品質管理を行っていきます。
しかし、このパテが将来乾燥や振動で割れてしまうことがあります。
その為、本工事では特に割れが出てくる可能性が高い、ドアの上の部分にはあらかじめ隙間に特殊な目地を入れて、割れが表面に出てこない施工方法を取り入れました。この特殊な目地のことを「ハット目地」といいます(写真③)。

4.まとめ

今回のコラムでは防水工事と内装下地工事の説明を行わせていただきました。この2つの工程については、建物が完成し、引渡した後のクレームに直結してしまう恐れのある大事な工程になります。建築管理部としても、設計監理者、現場監督、各業者としっかり打合せを重ね、施工手順の確認や、より高い品質管理の為、現場チェックを重点的に行う工程でもあります。防水工事・内装下地工事に限らずですが、今後も引渡後の建物品質の維持まで見据えた現場管理を行って行きたいと思います。
今回のコラムは以上になります。次回は内装仕上工事以降の工程についてご説明させていただきます。