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2023/07/21 |  社員ブログ

基礎にとりかかる~杭基礎編~

こんにちは。私は豊和開発株式会社の設計監理部で意匠設計、設計監理を担当している小浦です。

前回はコンクリートで打設する杭の話をしました。今回は杭の上にある基礎の話をさせて頂きます。

 

杭の上にはフーチングという名の基礎があります。杭とフーチング合わせて杭基礎とも言います。基礎とは一般的な単語として 「物事を成り立たたせるおおもと」といった意味合いを持ち、「基礎を固める」「分野の基礎知識」というように、広く使われています。勉学にも基礎となる部分があり、基礎知識がおざなりなまま、発展した知識だけを身に付けても役に立たない事が往々にしてあります。

基礎は全てを支える足元とも言うべき存在で、建築においても基礎は表には見えてきませんが、建物を支える大切な縁の下の力持ちです。

 

建築における「基礎」とは建物の荷重を支持し、地盤に伝える最下部の構造物です。建物本体を上部構造と呼ぶのに対し、基礎は下部構造と呼ばれ、基礎・地中梁などの工事を特に基礎工事と言います。また基礎の中でも直接基礎、杭基礎があります。直接基礎には布基礎・独立基礎・べた基礎などがありますが、今回は杭工事の話になりますので、杭基礎についてご紹介させて頂きます。

- 目次 -
CONTENTS

1.フーチング

フーチングとは和製英語で「footing」足の裏という意味があります。形が確かに足の形をしていますし、建物全体で見たら足元に当たる部分に相応しい名前だと思います。建物の荷重を支える為に重要な構造であるフーチングが、小さくて細いと、狭い面積に荷重が集中してしまいますし倒れやすくもあります。大きく幅の広いフーチングの方が建物の重量を分散し、建物をしっかりと支えることができます。

またフーチングの下には杭があり、この2つの構造が建物を支えています。杭とフーチングが確実に固定されてなければ建物は地震で倒れてしまう恐れがあります。

 

以前のコラム(地中の中の柱といえば杭)で紹介したように、杭の頭からは鉄筋がつき出ています。そしてフーチングにも鉄筋が入っています。

フーチングの中の鉄筋は下部をベース筋、上部をはかま筋といいます。少し変わった名前ですが、袴(はかま)とは着物におけるズボンのような存在で、腰から足までを着物の上から覆う、ひだのついた衣服です。ベース筋に覆いかぶさるように見える配筋の様子から、この名前がついたのでしょう。

このフーチングの鉄筋と、杭の頭から出ている鉄筋が交差するように組み立てられ、その後コンクリートで固められ一体化、杭とフーチングの固定が完了となります。

また杭とフーチングの他には地中梁というもう基礎があります。

2.地中梁

地中梁は文字通り地面に埋まっている梁,地中梁です。

最近は基礎梁とも言い、建築学会の書物などでも基礎梁という言葉が使われているそうですが、知らなかった方もいらっしゃるのではないでしょうか。私自身も正直あまり馴染みがありませんので、本コラム記事上では地中梁と呼ぶこととします。

 

地中梁とは、建物の基礎部分や地下を支えるために地中に埋められた梁のことです。地中梁は建物を支えるために地中に作られた鉄筋コンクリート製の梁で、1階の床を支えるのが役割です。

1階の床下には土が埋め戻してあるのですが、柔らかい盛土のため時間と共に沈下します。沈下すると1階床は浮いてしまうので床を支える梁が必要です。この梁が地中梁というわけです。

 

地中梁の工事では、建物の柱を支えることとなる杭基礎と杭基礎の間に鉄筋を入れて繋いでいくことで、基礎の地中部分が頑丈に固定されます。この部分に型枠という木枠で囲ってコンクリートを流しこんで固めます。この作業によって柱を支える基礎の部分が確実に固定されるため、正に「基礎を固める」重要な工事といえます。

 

この鉄筋とコンクリートを組み合わせた構造体のことを「鉄筋コンクリート」といいます。鉄筋とコンクリートが互いの弱点を相互に補完する事で、高強度、高耐久性を兼ね備えた構造体ではありますが、鉄筋がいくらコンクリートに保護されていたとしても、時間の経過と共にコンクリートにはひび割れが出てしまう事が多いです。そこで、多少ひび割れが出ても鉄筋が表出しないよう、コンクリートの表面と鉄筋までの距離をある程度確保します。このことを「かぶり」といいます。

3.かぶりとドーナツ

このかぶり(コンクリートの表面から内部の鉄筋表面までの厚さ)は、鉄筋を保護するために必要なものです。

 

コンクリートにひび割れができると、そこから空気や水が浸透し、鉄筋の錆の原因となります。鉄筋の表出を防ぐためには、コンクリートの四方から、一定の距離を空ける事が重要で、上下面、側面からの鉄筋表面までの距離をかぶりといいます。このかぶりをとることでコンクリートがひび割れたとしても、ひび割れが鉄筋に届かず、鉄筋の劣化を防ぐ事に繋がります。その為、鉄筋の品質を確保するための最低限必要な最小かぶりという基準が設けられています。

 

しかし現場では、人が造るわけですから機械のように正確な寸法で組み立てることは難しいです。そこで、現場での施工誤差を見越してかぶり厚さを決めています。しかし、鉄筋のかぶりをとりすぎると、逆に鉄筋の引張強度と靭性が小さくなってしまう為、薄すぎず、厚すぎないかぶりの設定が必要です。そんな時に、鉄筋のかぶりを確保するのに活用するのが、「スペーサー」です。

 

「スペーサー」とは日本語では間座(かんざ)と呼ばれ、一定の空間や間隔の高さ、方向を決めるための部品です。この間座という言葉は建築現場でもまず使われることはなく、その形状から「ドーナツ」という愛称で呼ばれています。この「ドーナツ」の真ん中の穴に鉄筋を差し込んで配筋することで、組み立てた鉄筋に木製の型枠が接触しないようになります。これでかぶりが確保される事となり、コンクリートを流しこむ前の構造体の形が出来上がります。最後にコンクリートを流し込んで構造体が出来上がるという訳です。

4.まとめ

今回、コンクリートを打つ手前までの鉄筋の基礎工事についてお話をしました。この後の工事でコンクリートを流し込み基礎がついに出来上がります。

 

基礎の鉄筋とは人でいうと骨にあたり、コンクリートは人でいうと筋肉にあたるといえます。

鉄筋の引張力への耐性と容易に破断しない粘り強さ、コンクリートの圧縮力への耐性と、高アルカリ性による劣化体制が組み合わさり頑丈で耐久力のある「鉄筋コンクリート」となるわけです。

 

次回は、基礎におけるコンクリート工事についてお話をしたいと思います。
最後までお付き合い頂きありがとうございました。