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2020/01/08 |  社員ブログ

木造(W造)建築の工法について

 豊和開発 建築管理部の小早川です。当社は土地有効活用の一環として介護施設、医療施設、児童施設等の設計・施工・アフターフォローを行っている会社で、私は施工・アフターフォローに関連する業務に携わっています。建築施工の計画を立てる際には予算・用途・建築する土地や環境に応じてどの構造・工法で建築するのかを検討します。木造(W造)、鉄骨造(S造)、鉄筋コンクリート造(RC造)の代表的な3構造からの選択になるのですが、今回は日本古来より伝わる「木造」にスポットをあて、記事にしてみようと思います。

- 目次 -
CONTENTS

1.木造に対するイメージ

 皆さまは木造建築物に対して、どのようなイメージをお持ちでしょうか?私自身は「木の温かみを感じる」「自然を感じる」「夏は涼しく、冬は暖かい」といった事をイメージします。
木材は熱を通しにくく、断熱性が高い事から外気温が建物内に入り込むのを防ぐため、暑い夏も寒い冬も過ごしやすく、また吸湿性にも優れているため、住み心地が良いと言われています。
また、「火に弱そう、燃えやすそう」「他の工法と比べ耐震性が無さそう」「シロアリ被害を受けそう」等、マイナスのイメージを持たれる方もいらっしゃるのではないでしょうか?ですが技術の発達もあり、木造建築にありがちなマイナスのイメージが解消されつつあるのです。

2.木造建築の工法①~軸組工法~

 木造建築の工法については、代表的なものとして「軸組工法」「ツーバイフォー工法」があります。
まず、「軸組工法」というのは日本の伝統工法を発展させた工法です。日本古来から伝わるこの建築工法は在来工法とも呼ばれており、基礎に土台を乗せて柱を立て、梁などの水平材を渡して骨組みをつくり、壁には筋違(すじかい)という斜めの材を入れて補強するなど、角材の組み合わせで建物を支える構造です。
「軸組み工法」の構造は建築後の増改築もしやすい上、気候風土にも適した工法のひとつとして人気も高く、現在でも日本の住宅では最も建築数が多い工法とされています。
この工法の長所は設計時のデザインや間取りの自由度が高いことが挙げられます。筋違(すじかい)の入った壁以外なら、窓やドアなど開口部を自由に設けることが出来るため、和風の建物だけでなく洋風の外観にも幅広く対応が可能です。
ひと昔前の木造軸組工法では大工の職人技が重視されると言われておりましたが、現在では精緻に機械加工された木材や、木材同士の接合に補強金物が採用されるようになっており、効率化による工期の短期化、建築精度や建物強度も上がっております。

3.木造建築の工法②~ツーバイフォー工法~

  続いてツーバイフォー工法について説明させていただきます。
名前の通り2インチ×4インチの材木を枠組みにして、パネルで床や壁、屋根を箱状に組み上げる工法の事です。今やアメリカ、カナダ等では戸建住宅のほとんどがこの工法によって作られている他、オーストラリア、ニュージーランド、イギリス、韓国、中国でも採用されており、日本でも近年シェアを増やしています。
ツーバイフォー工法において、壁の中には火の燃え上がりを防止する枠組材(ファイヤーストップ材)を組み込み、更に天井や壁の内側全面に石膏ボードを貼ります。
石膏ボードは、熱が当たると25分もの間水蒸気を発する特性があるので、火災の進行を遅らせることができます。もし石膏ボードの外に火が燃え移ってしまったとしても、ファイヤーストップ材である枠組材によって空気の流れが遮断されているため、上下の階に火が広がるのを防ぎます。また、床・壁の内部に埋め込まれる断熱材も火災時の熱が構造材に伝わりにくくし、石膏ボードとともに木材の発火を遅らせます。このように、二重三重にも防火機能を持つのがツーバイフォー工法なのです。
また耐震性においても、ツーバイフォー工法は「モノコック構造」という柱や梁、土台を構造用パネルで一体化し、6面体の箱型にすることで外からの衝撃を建物全体で受け止めることができる構造となっています。6面構造がバランスよく揺れを受け止めて力を分散することでより耐震性を高めます。ツーバイフォー工法で建築した木造建物は過去の大地震においても倒壊・損傷が非常に少なかった事で知られています。このように、木造建築物についても技術や部材の進化により耐火性・耐震性が向上しています。

4.結局どちらの工法が良いのか?

 これまでの記事から軸組工法とツーバイフォー工法を比較してみると、ツーバイフォー工法のメリットが多い印象を受けます。しかし、軸組工法は設計時のデザインや間取りの自由度が高く柔軟性があったり、建築後のリフォームについても、壁自体が構造躯体になっているツーバイフォー工法と比較すると有利と考えられます。
逆にツーバイフォー工法は、優れた耐震性や耐火性、建築時は大工の力量に頼ることが少いので建物の品質が安定していたり、在来工法と比較すると建築納期が短い等がメリットと考えられます。
どちらの構造が絶対ではなく、その土地や敷地に応じた環境や予算、建物をどれくらいの期間使用するのか等によって、適した構造を導き出すのが良いのではと私は思います。

5.これからの木造建築

 東京オリンピックの会場となる新国立競技場(2019年11月竣工)においても、屋根の一部に木材を使用している事が話題となりました。建築業界内においても、新技術の開発により大型建築物や高層建築に木材を活用する動きが広がっています。
高層建築においては、特殊な木のパネル材を使用しながら柱や床などの骨格部に約4割程度木材を使用し、鉄筋コンクリ ート造と比較して約3ヵ月工期の短縮を実現できたり、建物自体の軽量化により躯体工事の負荷が軽減できたり等、鉄骨と木材を組み合わせる事で新たな建築時のメリットを生み出す取り組みも行われています。
木材の使用が高まる背景として、樹齢別に国内森林面積をみると、建築に適した樹齢50年以上の木が多くの面積を占めてきているからだといわれてます。木材は自然素材であり環境にも優しいうえ、建設資材としてみると軽量であること、加工しやすいこともあり工期短縮やコスト面でのメリットもあり、RCやコンクリート造の建築費が高くなっている中、安価な建築材料としても注目されています。
建築基準法が2000年に改正された事で、必要な性能を満たせばどんな建築物でも木材で建築することが可能になりました。この法改正をきっかけに2010年には公共建築物木材利用促進法において低層の公共建築物へ木材利用が義務付けられる等、木造建築物のニーズは増える傾向にあります。 木材がより多用途で利用されると考えられますので、建築における木材の使用方法については今後もより注目されます。それらにともない新たな木造構造の開発や想像もできない木造建築物も生まれるかも知れませんね。

6.まとめ

 一言で木造といえど、工法や木材の使い方次第で利点を生かした色々な建築物が出来るのだな、と改めて思いました。木材からは温かみや癒し効果を感じますし、自然との一体感を感じられる建築物が今後も増えていけば良いと思います。建築管理部 小早川】