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2025/05/23 |  社員ブログ

所有者不明土地の問題について

昨今の日本では所有者不明の土地が問題になっております。調査を尽くしても土地の所有者が特定できない、又は所在が不明な場合、土地の円滑な利用や管理が困難になります。

このような所有者不明土地問題を契機に旧民法の法律が現代の社会情勢にそぐわないことが顕在化しました。

今回は所有者がわからなくなってしまうきっかけや理由、それに伴う弊害や対策などをご紹介させて頂きます。

- 目次 -
CONTENTS

1.所有者不明となる要因とは

所有者が不明となる主な要因といえば相続登記の未登記です。

土地の名義がすでに亡くなった元々の所有者のまま放置されることで、現在の実質的な所有者が誰なのかわからなくなってしまいます。この状態からさらに期間が経過し、子や兄弟といった相続権者が分岐していき、相続人数が増えることで、相続人の一部の所在等が不明になったり土地の所有者が誰なのかが完全にわからなくなってしまうのです。

 

相続時に土地を売却する意向があれば所有者がわからなくなるケースはほとんど発生しません。むしろ売却はしないと決めた土地が所有者不明になりやすいと言えます。登記にも費用がかかるので売らないもしくは売れない土地に登記費用をかけるのは勿体ないと思うかもしれません。そもそも登記の事を知らなかったかもしれません。ただ、所有者の移転登記をせずそのまま放置されてしまった結果、所有者不明となってしまう土地が後を絶たないのです。

2.所有者不明となることを防止するための法整備

自治体の都市計画や隣地所有者の土地利用に悪影響を与える所有者不明土地の発生は、可能な限り防止する必要がある為、2023年4月に民法の改正(所有者不明土地等関係)が施行されました。見直しされた項目は下記の相隣関係1~3、共有4~12、財産管理制度13~17、相続制度18~21となります。

 

 1,隣地使用権 

 2,ライフラインの設備の設置・使用権 

 3,越境した竹木の枝の切取り 

 4,共有物の変更・管理に関する見直し 

 5,共有物の「管理」の範囲の拡大・明確化 

 6,共有物を使用する共有者がいる場合のルール 

 7,賛否を明らかにしない共有者がいる場合の管理 

 8,所在等不明共有者がいる場合の変更・管理 

 9,共有物の管理者/共有の規定と遺産共有持分 

10,裁判による共有物分割 

11,所在等不明共有者の不動産の持分の取得 

12,所在等不明共有者の不動産の持分の譲渡 

13,所有者不明土地・建物管理制度 

14,管理不全土地・建物管理制度 

15,財産管理制度の相互関係

16,相続人不存在の相続財産の清算手続の見直し 

17,財産管理制度に関するその他の見直し 

18,遺産分割に関する見直し 

19,具体的相続分による遺産分割の時的限界 

20,遺産共有と通常共有が併存している場合の特則 

21,不明相続人の不動産の持分取得・譲渡 

3.民法の改正の内容をわかりやすく言うと・・

民法の改正(所有者不明土地等関係)の主な改正の内容をわかりやすく言うと、所有者がわからなかった為、所有者本人に了承を取ることが出来なかったとしても、その土地を売却したり、一部を使用したりできるようになったという事です。

また、所有者不明の隣地から越境してきている木の枝なども、所有者の許可を得ずに伐採することが出来るようになりました。これは、ご所有地の共有者が所在不明、あるいは隣地の所有者が不明な為に土地を活用することが出来ないお悩みを持つ土地オーナー様にとって朗報になるのではないでしょうか。

また、2024年4月からは相続登記が義務化され、所有者不明土地の増加を抑えるための対策が採られることになりました。
土地は面積や土地の形状・路線価や接道条件によってその価値は変わりますが、いずれにせよ高額な資産です。そして、高額な資産であるため、相続税が発生する要因となっています。相続税の負担は非常に大きなもので、相続税を回避せんがために取った行動が所有者不明土地の問題を発生させる一因になっています。

という状況を踏まえ、土地の相続による相続税負担を減らすことが出来れば所有者不明土地の問題も減るのではないかという考えに至ったのです。

4.高額な資産に対する相続問題は土地の有効活用が有効

所有者不明土地の問題について、民法改正により突破口ができたという方もなかにはいらっしゃると思います。相続税対策を行うのであれば土地の評価額を減額できるケースとして「土地を第三者に貸して借主が建物を建築する場合」や、「建物を自ら建築し、その建物を第三者に貸す場合」などがあります。

第三者が建物を使用している事で、貸主はその土地を自由に利用できないため、土地の評価額を一定割合減額できるからです。

貸宅地の評価の計算方法は【自用地の評価額-(自用地の評価額×借地権割合)】となり、貸家建付地の評価の計算方法は【自用地の評価額-(自用地の評価額×借地権割合×借家兼割合×賃貸割合)】となります。

以上のように、土地活用を行うことで相続財産である土地の評価額を減額することが可能になるのです。
豊和開発では介護施設や福祉施設の設計や建築を行っております。是非ともご相談下さい。

 

                          【豊和開発株式会社 佐竹】