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2023/07/07 |  社員ブログ

建築士・設計士の方々に共通すること

こんにちは、経営企画部の岩村です。
私は普段、採用業務を担当している傍ら、多くの求職者の方を目にします。
新卒・中途に関わらず、それまでの経歴は十人十色で、職務経歴書を読むだけで、その方がどんな性格で、どんな事を大切にしているのか、何となく見えてくるような気がします。

 

そんな中で一際、異彩を放っているが設計職志望の方々です。
営業職や、バックオフィス職を志望する方々とは、性格、働く上での価値観や、転職歴等を単純に比較できない設計職という仕事。そんな仕事を目指す人、そんな仕事に慣れ親しんでいた方を見ていると、ある程度の共通点というものが見えて来ました。

今回は、建築士・設計士を目指す方・転職したい方にとってきっと役立つ、建築士・設計士に共通して見られるいくつかのポイントをご紹介させて頂きます。

- 目次 -
CONTENTS

1.建築士と設計士の違い

そもそも、皆さんは建築士と設計士の違いについてご存じでしょうか。
この二つは一見似ているようでも、その意味合いは全く異なります。

 

「設計士」という肩書を名乗るのに必要な資格はありませんが、「建築士」を名乗る為には、国家試験に合格する必要があり、建築士の資格を持たない設計士は扱う事のできる建築物が大きく制限されます。

 

また、建築士の中でも「一級建築士」「二級建築士」「木造建築士」に別れており、それぞれに扱う事のできる建築物の制限が異なります。

 

・一級建築士:全ての建築物を扱うことが可能
・二級建築士:延べ面積300㎡以下、高さ13mかつ軒高9m以下の建築物を扱うことが可能
・木造建築士:延べ面積300㎡以下、2階建て以下の木造建築物を扱うことが可能

 

いくら長年、設計士としてのキャリアを積んだとしても、自身の名前が設計者として刻まれることはありません。

建物の設計者として名を刻むのは建築士として、その建築物の設計・工事監理を監督した人とです。

 

合格率が10%前後という難関試験を突破し、全ての建築物を扱うことのできる一級建築士は、正に設計職の花形と言えます。

転職市場でも、一級建築士であることは大いに有利に働きますので、これから設計職を志す方は、是非建築士を目指してキャリアをスタートさせていきましょう。

2.どんな時もコツコツと

前置きが長くなりましたが、いよいよ建築士・設計士を生業とする方々の共通点についてお話していきます。

 

まず第一に、計画的な努力家である、という印象が強いです。
そもそも技術職というのは、ふと思いついて次の日からなれるものではありません。
設計職の求人で、全くの未経験から募集している求人はほとんど無いのではないでしょうか。

新卒採用でも、建築・設計以外の学科から採用している求人というのは多くはありません。
建築に関する一定の知識を有していなければ設計士を目指すためのスタートラインに立つこともできないのです。

 

その為、設計職を志す方の多くは高校卒業の時点で、設計士・建築士を目指すと決めています。
そして、自分で決めた目標に向けてコツコツと努力を重ねた末に、設計士の道をスタートしていくのです。

 

勿論、技術職以外の方が劣っているというわけではありませんが、新卒から一つの職種に特化した経験を積んでいる割合は技術職の方が圧倒的に多いです。

 

また、施設の設計というのは想像以上に地道で泥臭い仕事でもあります。
単に、設計図を作り、建物をデザインするだけでなく、建築基準法や各自治体の条例に適合した建物の設計の為、行政と細かな打合せを繰り返したり、お客様の要望や法令への適格次第でそれまでの仕事が白紙に戻ることも時にはあります。

 

しかし、どんな時でも設計図の一つ一つの線に意図を込めながら、お客様の思いを叶える安全かつ質の高い建物の建築の為に、地道に仕事を進めていくことが、設計士に必要な要素といえるかもしれません。

3.知的好奇心の塊

二つ目に感じるのは、設計士の方は知的好奇心の旺盛な方が多いということです。

 

特にお客様からの評価の高い、独創的な設計を持ち味とする方に共通する特徴だと感じます。

 

かの日本を代表する建築家、安藤忠雄氏は、打ちっぱなしのコンクリートの壁が特徴的な作品の数々で有名です。
「私は誰にでも手に入る材料をもって、誰にでもない世界を創りたいと思う。」という一度聞いたら忘れられないようなインパクト抜群の名言も残されています。

 

そんな独創的で世界から評価される安藤氏は若かりし頃、モダニズム建築の第一人者 ル・コルビジェの傑作、ロンシャン礼拝堂の写真を見て、これは自分の目で見て確かめたいと、現地フランスまで飛んで行ったそうです。

 

安藤氏はその他にも、日本中、世界中を旅する中で様々な建築物と現地の文化に触れる旅に出たり、自分が分からないものとの出会いを大切にする非常に知的好奇心の旺盛な方のようです。

 

評価される設計というものの一つの基準に「他の人には真似できないアイデア」というものがあります。

 

他の人には真似できない、というのはその人にしか見えない景色、その人だけの世界が創り上げられているということです。

その独自の世界観の礎となるのは、その人が持つ知的好奇心、つまり数々の知識を吸収することが設計士としての大きな強み・魅力となります。

 

設計士にとって、自身の知的好奇心、好きなものにのめりこむ情熱を大切にすることが、感性を磨くことに繋がっていくのはないでしょうか。

4.意外と人と話すのが好き

最後に、前項の「好きなもの」というワードにも通ずるのですが、人と話すのが好き、というのも活躍する方の共通点だと思います。

 

人に語れるだけの、自分の世界、独創性が育まれているという意味もありますが、設計士というのは存外、人とのコミュニケーションが大切な仕事です。

 

お客様がイメージする施設を具現化する為には、お客様へのヒアリングは欠かせません。

また、自分が持つイメージを実現する為に、必要なファクターを周囲に理解させる力も必要になってきます。

そして、建物を建てるということは、後戻りのできない、取り返しのつかない責任の重大な仕事です。

仕事を進めていく中で、認識に祖語のないよう確実な意思伝達や、情報共有、都合の悪い事も含めて、細大漏らさずにお客様にお話する力は必須です。

 

建物を建てるということには、必ずお客様がいらっしゃり、多くの方々の協力の下で建物は形作られ、完成後はその周囲や地域に大いに影響を与えることに繋がります。

決して設計士1人だけの力で成り立つ仕事ではない、そんな思いを持っているからこそ、人と話す事を苦に思わず、スムーズなコミュニケーションを心がけているように思います。

技術職を志す人の中には人と話すことが苦手、といわれる方もいらっしゃいますが、設計士を目指す上では、人とのコミュニケーションを恐れない、むしろコミュニケーションを大切にしたい、そんな思いが伝わる方は特に魅力的だと思います。

 

ここまで、設計士の方に共通する3つの特徴についてご紹介しましたがいかがだったでしょうか?

設計士・建築士というと労働人口不足の日本では引く手あまたの貴重な人材ですが、それだけに誰しもが簡単になれる仕事ではありません。

これから、設計士を志す方は、今回の記事を参考に自身がどんな設計士になりたいのか、具体的なイメージを重ねながら、自身の将来を設計してみて下さいね。

 

次回は、そんな難関設計士になる為の手段や勉強についてお話させて頂きます。

ここまでお付き合いいただきありがとうございました!