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2025/01/24 |  社員ブログ

表現者【建築設計】としてのよもやまばなし

豊和開発で意匠設計を担当しています新本と申します。

就活や転職で建築、設計を目指している方がいらっしゃると思いますが、今回はこの建築設計というものについて考えてみようと思います。
建築物とは、世の中にある工作物のうち、屋根、柱、壁のあるものを言い、それらを作ることのみを【建築】と言います。それ以外の橋やトンネル、水門は主に土木の分野となり、これらを作ることは【建設】になります。

辞典によりますと、人間が活動するための空間を内部に持った構造物を、計画、設計、施工、使用するに至るまでの過程全体、またはその一部も【建築】といい、【建築設計】とは「建築物を建設するにあたって、その意図に即して構造、材料、工費などの計画をたて、図面その他の方法で明示する行為で、より一般的には、建築に限らず何かを企て、それを具体化する手続を考える行為を設計という。」とあります。

- 目次 -
CONTENTS

1.アート(芸術)と職業建築の違い、そして建築設計に携わる喜び。

建築家やデザイナーなど建築の世界でもアーティストを名乗られる方は多く居ます。

アートと建築とは一体何?と思われている方がいるかもしれません。また、どこからどこまでがアートで建築との区切りがつかないと思われている方も居るかもしれません。アートである「芸術」と建築の違いは、芸術=自分の意思で創作するもの、建築=依頼されて創作するものという切り分けでよいと思います。

「こんなものを作りたい」という気持ちがあって、作ろうとしても依頼者がいなければ作ることは出来ません。依頼者がいなければそれはアートであり、作る人はアーティストになります。同じ表現者でもアーティストは自分の心の赴くままに自由に表現しますが、建築設計に携わる我々は、設計の依頼を受けてからその依頼者の希望を汲取り、カタチにするのが私たちの仕事であります。

私たち設計者は能力(技術力)はもちろん、人とのコミュニケーションを密にするのがとても大事な職業です。設計者ひとりひとりに個性があり、考え方も千差万別なので、その表現方法も、出来てくる建物(カタチ)も、人が変わると全く違うものになったりします。

 

設計者は、依頼主の提案する希望の好き嫌いに左右されるのでは無く、しっかりと依頼主の考えを具現化しながら、設計者の個性も出す為に自身の提案を理論立てて説明する、そんな説得力も必要になります。反対に依頼主の言う通りになって自分を押し殺してしまうような設計は辛いですし、そんな環境での仕事は長続きしません。自分のアイデンティティ(主体性や自分らしさ)を損なうことなく、自身も楽しみながら依頼主にも賛同頂き、二人三脚で一つのものを作り上げていく。これが設計の醍醐味であり、加えて依頼者から喜んでもらえたらこれはもう最高の仕事となります。

2.建築設計の魅力について

建築設計の行程には依頼主の意向を基にして、それを具現化するために企画・提案を繰り返し、コンセプトを確立します。その後も建築物を完成させるためそれぞれの段階において多くの関係者が関わってきます。建築設計の過程においてパート毎に担当人員を適材適所で選定しながら、一つのプロジェクトを完成へ導いていくのです。もちろん設計業務を問わず様々な面で支援いただける縁の下の力持ち的な存在も必要不可欠になってくるのです。

 

建築物をおおまかに分類しますと、下記のとおりとなります。(一部をまとめています。)日常生活や商業活動、公共利用を目的とした身近にある建物を指します。

 

1. 住宅 一戸建て住宅・集合住宅(マンション、アパート)
2. 商業施設 店舗・ショッピングモール(センター)・オフィスビル
3. 公共施設 学習施設(学校幼稚園から大学まで)、病院・クリニック、図書館、公民館
4. インフラ建築 駅・空港 道路施設(トンネル、橋)
5. 文化・娯楽施設 美術館・博物館・劇場・映画館 スポーツ施設(スタジアム、体育館)など

 

以上のとおり様々な業態があり、使用目的に合わせた建物となるため、設計する際にはその分類ごとにノウハウは深く、それぞれ一朝一夕で設計技術を身に着けることはできません。

建物の部分で大別すると、器(建築デザイン)と内部空間(インテリアデザイン)に分けることができますが、業態や規模によってはそれぞれのパートで分業する事も有りますし、一貫してデザインをする事も有ります。

また役割で分けると、意匠(デザイン)、構造(安全性、機能性)、設備(環境)が有り、建築物はそれぞれが有機的に絡み合い、どれも建築工程では欠かすことが出来ない重要な役割を持っています。構造で建物のカタチが決まってしまう事も有りますし、先進の設備が建物の個性をリードすることも有ります。このように建築は一人では出来ないくらい幅広く、多岐に渡っていて、分業してもそれぞれの分野を極めるための勉強はやり尽くせないくらい深いものがあります。自分は何の設計を追求し、どの技術を極めるのか、人によって方向は違いますし、選択肢が多岐に渡り、終わりが無いのも建築設計の魅力ではないでしょうか。

3.まとめ

自分はどの分野で活躍したいか、という事を決める時が来ると思いますが、ひと通り勉強してから考えようなんてやっていたら時間がいくらあっても足りませんし、選ぶ企業によって携わる業務は大きく変わってきます。

当社の設計の特徴は、企画設計から設計監理まで一貫した設計業務に携われるというところです。当社の仕事内容をどう捉えていただくかは個々の判断になりますが、興味があるなら一度当社の社員とお話を聞く機会を設けてみてはいかがでしょうか。

ここまで設計職の入口にまつわるお話をしてきましたが、まだまだこの話は語りつくせないのでもう少し深く掘り下げながら、次回も記事にしたいと思います。ではまた次回。