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2021/05/21 |  社員ブログ

建築設計における工事監理業務

こんにちは。
私は豊和開発株式会社の設計監理部で意匠設計、確認申請、工事監理等の業務を担当しています。今回は、担当業務のひとつである「工事監理」業務についてお話ししたいと思います。

- 目次 -
CONTENTS

1.工事監理とは

まず工事監理とは建築設計業務に付随する建築士法という法律にて定義されている業務になります。以下に法文を記載します。”建築士法第 2 条 8 項「工事監理の定義」 その者の責任において、工事を設計図書と照合し、それが設計図書のとおりに実施されているかい ないかを確認すること。”お施主様と打合せを重ねて作成し出来上がった設計図書と、実際の工事が図面のとおりに実施されているかどうかをお施主様の代わりに確認してゆきます。工事監理業務は設計業務と同様に建築士の独占業務となりますので、建築物の用途・構造・ 規模等により、それぞれ建築士(一級建築士、二級建築士、木造建築士)が監理を担当します。

2.建物外部の工事監理

私が直近で担当させて頂いた、鉄骨造2階建ての工事監理の流れをお話ししたいと思います。
①まずは敷地形状・大きさの確認です。敷地境界の各ポイントを確認して(接道部分の道路後退がある場合は後退距離の確認等)図面通りに建物が配置できるよう現場状況の確認を行います。
②建物の位置を決定したら、基礎工事になります。本件は杭工事の後、鉄筋コンクリート基礎工事という流れでした。杭工事は地中にある支持地盤に杭を到達させて地球と建物を強固に接続させる工事です。鉄筋コンクリート基礎工事は、設計図通りに鉄筋が配筋されているか、正しい製品を使用しているか等の確認を行い、型枠を形成してコンクリートを流し込みます。基礎工事は建物を支える工事になりますので、いつも以上に緊張感をもって監理を行っています。
③基礎が出来上がったら、構造物の躯体工事に入ります。柱・梁等の施工図の確認、製作された鉄骨の製品検査、鉄骨建て方の流れで確認作業を進めて行きます。建て方では、柱と基礎が強固に接続されているか、柱脚部の接続状況の確認、建物高さの確認等行います。
④建物躯体が出来上がったら床・屋根の形成です。本件は合成スラブ構造を採用しました。合成スラブ構造とは、デッキプレートとコンクリートで形成され、デッキプレートがコンクリート打込み時には型枠として、硬化後はコンクリートと一体になって引張鉄筋の働きをし、施工性・耐力にすぐれた床構造になります。現場では、デッキプレートが認定品であるか、配筋間隔・形状・大きさ等が適切であるかの確認を行います。床が終わったら、
⑤床の工事の後は、外壁の形成です。本件はALCパネルを採用しました。施工図の確認段階でパネルの配置確認、工事現場では取付の確認等を行いました。

3.建物内部の工事監理

建物外部工事の途中から、建物内部工事に入ります。
⑥外壁に面している部分に吹き付ける耐火被覆工事の確認を行います。被覆の厚み、被覆範囲等、火災が起きた場合、建物がある一定の時間は焼け落ちないように性能確保してゆきます。
⑦続いて、断熱工事です。外部の熱環境が直接内部に直結しない様、熱を伝わりにくくする断熱材を吹き付け又は、断熱材を設置して行きます。現場にて断熱材の厚み、設置範囲等の確認を行います。
⑧外壁工事が終盤を迎えたら、建物内側へ進んでゆきます。まずは、防火上主要な間仕切壁の形成の確認を行います。防火上主要な間仕切り壁とは、学校・保育園・就寝をともなう施設などの建物で、火災時に避難経路を確保するための重要となる壁のことです。防火上主要な間仕切り壁に貫通する各配線・配管は、国土交通大臣認定材料にて、すき間なく穴を埋めて行きます。火災時に壁を貫通した穴のすき間より火が漏れない様にする為です。現場では、認定品の材料にて施工されているか、工法はあっているか等の確認作業を行って行きます。
⑨続いて照明機器・空調機器・換気設備等、各設備機器の設置。
⑩内装工事と続きます。内装工事では、シックハウス対策されている製品を使用して施工されているかの確認。仕上げでは、防炎加工が施された製品にて施工されているか等の確認を行います。防炎加工とは、可燃物である繊維に加工を施して防炎性能を高めた製品で、日本防炎協会によって行われる防炎性能基準試験をクリアしたものです。火災が発生した際に火が燃え移りにくく、焦げたり溶けたりしてもなかなか燃え広がらない性質を持ち、延焼の拡大を抑制します。

4.最後に

法確認と共に、仕上がり・納まりが奇麗な状況で引渡を行えるよう、施工状況の品質確認も行って行きます。工事の流れは、施工者と話し合って最適な工程手順を計画してゆくので、各計画によって監理工程も異なります。各工事どれも大切な工程ですが、やはり人命に掛かる工事の監理は注意深く行っています。災害が起こった時に建物内部にいる人々が安全に避難できるよう、地震が起きた時に建物が容易に崩壊しないよう計画図に忠実に監理を行います。最後に工事監理を終了したときは、直ちに、国土交通省令で定めるところにより、その結果を文書でお施主様に報告します。報告についても、建築士法にて定められている法的業務になります。保育所案件ですと毎年3月竣工の物件が多いことから、プラン作成から1年程度で引渡が行われます。いつも1年前の自分と比べて何か成長できたか、逆に反省すべき所は何か等、考えながら引渡し作業をしています。より良い建物を建築出来るよう、設計業務・監理業務に務めて行きたいと思います。