豊和開発 土地活用に
グッドアイデア

- コラム -
COLUMN

HOME › コラム › 間違えやすい社会保険の手続き

2025/09/17 |  社員ブログ

間違えやすい社会保険の手続き

社員を採用した際、また退職した際、それに月々の給与計算など、社会保険にまつわる業務が色々ある中で、たびたび発生する業務については覚えていますが、イレギュラーに発生する業務は迷いながら進めることも多いと思います。
社会保険の得喪失手続きや、給与計算を担う総務、経理、人事担当者は社会保険の知識は必須となりますが、今回はその中でもあまり発生しない、迷いやすく、間違えやすい社会保険の手続きについてまとめてみましたので、よろしければ参考にしてください。

- 目次 -
CONTENTS

1.社会保険について簡単におさらい

社会保険とは「健康保険」「厚生年金保険」「介護保険」「労災保険」「雇用保険」の総称で公的保険制度のことです。
一般的に「社会保険」というと、狭義な意味で使用されることが多く「健康保険」「厚生年金保険」のことを指すことが多いです。
「介護保険」は40歳以上の社員が対象で、健康保険とあわせて保険料を徴収するため、「健康保険」・「介護保険」をセットで取り扱うことが多いです。
健康保険料、介護保険料、厚生年金保険料は「標準報酬月額」をもとに決定されます。

「労災保険」「雇用保険」をあわせて「労働保険」と呼びます。

なお、今回については、狭義な意味での「社会保険」における間違えやすい手続きについてご紹介します。

※以前、給与計算における社会保険についてコラムにまとめていますので、あわせてそちらも参考にしてください。
http://www.howa-d.co.jp/column/7838.html

2.間違えやすい手続き①「社会保険加入の対象?」

「正社員」「短時間正社員」「契約社員」「アルバイト」「パート」など雇用形態や呼び方は様々ありますが、雇用形態や呼び方に関わらず、下記要件にあてはまる場合は社会保険加入の対象となります。
①週の勤務時間が20時間以上
②給与が月額88,000円
③2ヶ月を超えて働く予定がある
④学生ではない

正社員だから加入、アルバイト・パートだから加入しない、ではなく、要件にあてはまるかどうかで判断する必要があります。

3.間違えやすい手続き②「どちらの扶養?」

夫婦共働きで、それぞれ健康保険に加入していて、子どもを扶養している場合、子どもはどちらの被扶養者になるのか、をあらためて考えてみます。
結論、原則は年間収入の多い方の被扶養者となります。(子どもの数関係なく)
夫婦の年間収入が同程度の場合は、主に生計を維持するほうの被扶養者となります。

4.間違えやすい手続き③「複数事業所での勤務」

近年、副業の推進などで、2ヶ所以上の適用事業者で勤務する人も増えていると思います。
例えば、
A社で正社員・B社でも正社員で勤務
A社及びB社で短時間正社員として勤務
などが想定されます。
また、役員の場合で
A社で役員、B社で正社員
なども想定されます。

2ヶ所以上で勤務している場合、社会保険はどうなるかと言うと、
まず、A社、B社それぞれ社会保険の加入要件を満たしているか判断し、両社にて加入要件を満たす場合は、A社・B社両方で社会保険に加入することになります。
2ヶ所以上の事業所で加入要件を満たした場合、「被保険者本人」が届出する必要があります。
届出にて、被保険者本人が「主たる事業所」を選択します。
選択した事業者で健康保険資格情報が登録されます。
保険料ですが、それぞれの事業者から受ける報酬月額に基づき、按分して決定されます。
具体的には、A社から170,000円(月)、B社から130,000円(月)報酬を受ける場合、合算した300,000円が標準報酬となり、標準報酬月額が300,000円となります。(協会けんぽ 大阪府の場合)
保険料はA社にて170,000円/300,000円の割合で、
B社にて130,000円/300,000円の割合で負担します。
(保険料は労使折半)

5.間違えやすい手続き④「退職時の取扱い」

退職時の取扱いについては重々理解しているよ、という方も多いかと思いますが、注意事項が多々ありますので、あらためてまとめると・・・
・社会保険料は1ヶ月単位で計算(月の途中で退職だからといって、日割計算は行いません。)
・社会保険の資格喪失日は退職日の翌日
例)5/15が退職日の場合、社会保険の資格喪失日は5/16
・退職時の社会保険料は資格喪失日が属する月の前月分まで徴収する
例)社会保険の資格喪失日が5/16の場合、4月分の社会保険料まで徴収する
※注意※
社会保険料は「翌月徴収」が原則ですが、「当月徴収」をしている場合もあるので、どちらで徴収しているか理解した上で、対応する必要があります。

6.まとめ

社会保険の手続きだけに関わらず、イレギュラーな業務はたびたび発生しますが、イレギュラーな業務の場合は、自分で調べたり、知っている人に聞いたり、専門家に相談したりして慎重に対応していく必要があります。
余裕がある場合は、イレギュラーな業務が発生してから対応方法を考えるのではなく、常日頃から勉強しておいたり、情報収集しておくと良いかと思います。
また、社会保険に関する知識は社会保険の手続きを行う事業所の担当者として必要ではあるのはもちろんのこと、被保険者(社会保険の当事者)としても有益な情報になりますので、情報収集することに損はありません。どこか頭の片隅にでもおいておくと良いかと思います。

【豊和開発株式会社 木村】