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2020/10/20 |  社員ブログ

建物の外構

建築でいう「外構」とは、計画建物の外部の門や塀、駐車場屋根、花壇、植栽などを総称していう建築用語です。
本来の意味とは異なりますが、「エクステリア」と言われることもあります。
計画用途や規模によって、選定する部材や内容は大きく変わりますが、クライアントの要望に合わせてアプローチ(門ら建物への通路)の方法や囲障(門や塀)、カーポート(駐車場屋根)、植栽、照明などを組合せていきます。
今回、それぞれの商品等を選定する際に、私が気を付けているところについてまとめてみました。

- 目次 -
CONTENTS

1.アプローチ

アプローチとは、門から建物への通路を指します。
道路などのパブリック空間から、建物のプライベートな空間をつなげる役割があり、土地のカタチや高低差、造り方によっても印象がガラッと変わります。
建物の入口が道路に向いていなくても、アプローチを印象的なものにすることで、通路の導線が分かりやすくなります。
また、旗竿状(L型)になっている土地で、商業店舗などを計画する場合は、道路から建物が見えずらい分、アプローチの設えがとても重要になります。
アプローチの構成としては、メインは床の素材で、タイルや石、コンクリート、アスファルトなどがあり、そこから塀や植栽、照明を加えて印象付けていきます。
また、建物の床は、外の地盤面より高いので、スロープや段を造り、スムーズに進入うできるように計画します。

2.囲障とカーポート

囲障とは、敷地境界に沿って設ける門や塀、フェンス、生垣を指します。
外部からの視線を遮る目隠しの役目と外部からの侵入を防ぎ、安全を保つことが目的になります。
塀の素材のひとつの「ブロック」に関して、2018年6月にブロック塀が倒れ、通学途中の小学生が下敷きになり、亡くなるという悲惨な事故がありました。
ブロック塀がダメだというわけではないですが、法令順守し適切な施工方法でつくっていれば、倒壊はまぬがれたのではないかと思います。
また近年、金属フェンスが台風に煽られて倒壊することがあり、私は囲障の設置については十分に注意しながら行っており、出来る限りメッシュ状の風の通る形のフェンスを採用するようにしています。
クライアントから目隠しフェンスを設置したいという要望を頂くこともありますが、視線をカットしながら風が通るものを選定し、風害が起きない配慮をしています。
カーポートやサイクルポートは、既製品を使うことが多いですが、建物とのイメージが合わない場合は、オリジナルの設計を行い、建築物と一体で屋根をつくり、個性的な風合いにする場合もあります。

3.植栽と照明

植栽は、建物のイメージに合わせて樹種の選定をします。
樹種を大きく分けると、「広葉樹」と「針葉樹」という分け方と、「落葉樹」と「常緑樹」という分け方があります。
「広葉樹」は葉っぱが丸い形状で比較的暖かい地域に生息します。
「針葉樹」は葉っぱが針のように細く比較的寒い地域に生息します。
「落葉樹」は広葉樹に多く、冬になると葉が落ちる木です。
「常緑樹」は針葉樹に多く、年中葉がある木です。

常緑樹は、年中葉が落ちない樹種のため、景観を損なわず掃除も楽なため、クライアントから樹種の要望がなければ、常緑樹を選定するようにしています。
私は、広葉樹で常緑樹であり、どんな雰囲気の外構にもマッチする「シマトネリコ」という木をよく採用していますが、まだまだ植栽のことは勉強中で、様々な樹種の採用に挑戦していきたいと思います。
照明器具も外構の雰囲気づくりに大事なアイテムです。
下から照らす「グランドライト」、自立する「ポールライト」、壁へ取り付ける「ウォールライト」などの証明にも様々な種類があり、その中でサイズや形状、照度、照射範囲を確認しながら選定します。
表札やポーチに照明を入れるだけでなく、植栽や外壁を照らすことで、夕景や夜景が印象的になったり、人感センサー付き照明を設置することで、防犯性の向上を図ったりもします。

4.まとめ

市町村によって、建物の建築における景観について条例があり、色彩を統一したり、敷地の大きさに対して、緑化範囲の割合を指定していることがありますので、計画時の事前調査が重要になります。
市町村の条例を満たした上で、クライアントの要望を盛り込み、計画を進めていますが、建物へのアプローチが分かりやすく、利用しやすく、周辺の街並みに溶け込むデザインで、さらにメンテナンス面とコスト面でクライアントの負担にならないようなデザインを提案できるような設計士を目指し、がんばりたいと思います。
【設計監理部 久保】