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2021/08/21 |  社員ブログ

介護施設の需要と供給

ここ数年、介護施設が増えてきたと感じている方も多いのではないでしょうか。私が勤めるのは、主に介護や医療といった施設を主力商品とし、地主様へ土地の有効活用の提案をしている会社です。私自身、今の会社に入社するまで介護施設のことをあまり気にしたことがありませんでしたが、こういった仕事柄、「こんなところにあったんだ」「この地域は施設が多い」と感じることが多々あります。みなさんもご存じの通り、現在の日本は高齢化が進んでいる事もあり、実際ここ数年で介護施設は非常に増えましたが、それに伴って、介護施設はまだいるの?もういらないんじゃない?と地主様から言われることもあります。今回のコラムでは、介護施設の需要と供給について書いてみたいと思います。(写真は当社竣工の介護施設)

- 目次 -
CONTENTS

1.超高齢社会

高齢者(65歳以上)の割合が7%以上で「高齢化社会」、14%以上で「高齢社会」、21%以上で「超高齢社会」と言われています。2018年時点で日本の総人口約1億2千万人に対して高齢者の人口は約3,500万人で、全体の29%を占めており、「超高齢社会」となっています。要因としては、平均寿命が延び続けていることと、少子化の進行があげられます。平均寿命が延び、かつ、少子化が進行するという事は、高齢者の人口が増え続けているにもかかわらず、少子化で子どもの数が高齢者が増える数を超えないという事であるため、必然的に人口に占める高齢者の割合が増加します。

2.介護施設の現状

高齢者人口が増えると介護施設の需要も高まりますので、ここ数年で介護施設は非常に多くなりました。「周辺に介護施設がたくさんあるのではないか」「また介護施設ができるのか」と思う人も少なくはありません。ひとまとめに介護施設と言いますが、特別養護老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅、デイサービス、グループホームなどなど、上記の図以外にも実は介護施設には様々な種類があります。その理由は、介護サービスに多くの種類があり、施設により扱うサービスが違うためです。それにより、受け入れの対象者が異なる為、多くあるように見えて実際は同じサービスを提供する施設が近くに2つも3つも建っていることはありません。また、介護施設を運営する事業者が立地や周辺状況を調査したうえで運営を行いますので、必要ではないと思う場所で介護施設の運営はしません。実際、私は介護事業者様に介護施設の新規展開用地として土地のご紹介をさせていただいておりますが、この場所では新規展開できないと断られるケースも少なからずあります。特に老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅などの施設では、満室や空き待ちになっている施設も多く見られます。つまりこの高齢者人口が増え続ける中、入居したいという需要に対して施設を運営する、新設するといった供給が足りていないという事が言えます。
また各行政が募集を行う認可施設と呼ばれるものがあります。それは、各行政が必要なエリアに必要な数だけ募集を行います。2021年現在でも、大阪府や兵庫県では、各行政が決められた時期に募集を行っております。今の状況を見て募集を行っているわけですから、2021年現在も介護施設はまだ足りておらず、必要な施設であることが言えると思います。

3.介護施設の今後

では、「今は必要でも10年後20年後はどうなのか」「この先需要がなくなっていくのではないか」と思う人もいるのではないでしょうか。2045年には高齢者人口がピークを迎えると言われておりますので、2045年以降は少しずつ需要が減っていくと思われます。しかしまだ25年先までは高齢者人口も増え続けるため、介護施設の需要が急激に減ったり、施設の数が飽和することは考えにくいと思われます。施設の数が増えることや施設を運営する上で問題になってくるのが、超高齢社会問題の中にもある労働者人口の減少という点です。労働者人口が減少するという事は、その介護施設で働くヘルパーや看護師の確保も難しくなるという事です。私自身、介護事業者様と話をするなかで、従業員の確保が難しいため新設したくてもできないと言われる事もあることもある為、従業員の確保が難しいという事は事実です。そういった供給の面では今後難しい課題となってくるのではないでしょうか。

4.まとめ

今回のこのコラムを作成するなかで、超高齢社会という点から様々な方面に影響が出ている中、高齢者のための施設としての介護施設にも大きな影響があることを学びました。ここ数年で介護施設は非常に増えましたが、それでもまだ施設の数は足りておらず、需要に対する供給が追いついていないのが現状です。そして、高齢者の人口が増え続ける限りは、現在もこれからも介護施設は重要な施設であることが言えると思います。私が勤める会社は介護施設の提案を得意としておりますので、「介護施設の活用って実際どうなのか」「介護施設の活用の話は聞いたことが無い」など、疑問や興味がある方は是非一度、弊社のお話を聞いていただけたらと思います。
豊和開発株式会社 営業本部 山副飛雄