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2024/11/08 |  社員ブログ

内装仕上材について

豊和開発株式会社設計監理部で建物の意匠設計業務を担当させて頂いております。

 

建築設計において、外観デザインはもちろん大切ですが、それと同じく建物の内部空間をデザインする事も大切です。外観のイメージが良く、建物内に入ってみると、イメージ通りで統一感のある建物だと感じる場合や、ちょっと驚くような内部空間が広がっていて意外に思う事があると思います。それぞれ良さがあり、あえて外観と統一感の無い内装デザインをするのも、ひとつの手法かと思います。
どのようなスタイルの内装デザインをする時も、空間を構成する仕上げ材にどんな素材を使うのか、どんな色味で構成するのか、照明器具や自然光を利用した空間の明るさはどうするのかが重要になります。

 

今回は、弊社が設計を手掛けさせて頂く時によく使用する代表的な内装仕上材についてご紹介していきたいと思います。

- 目次 -
CONTENTS

1.床

床材で代表的なものと言えば、皆様のご自宅でも使われている事が多い「フローリング」があります。フローリングと言っても、大きく分けて3つの種類があります。

 

・無垢フローリング:天然木をそのまま使用したもので、自然な風合いや温かみが特徴。天然木ならではの経年変化を楽しむことができます。
・複合フローリング:合板などの基材の上に化粧材(化粧シートや天然木を削ったもの)を貼り合わせたものです。
・特殊機能付きフローリング:床暖房対応、防音機能、ペット対応など、表面が傷がつきにくい仕様のものや、防音性能の高い製品があります。

 

弊社で設計させて頂く建物でよく使用するのは、塩化ビニールを原料とした床材の一種でシート状になっている「長尺塩ビシート」です。

特徴としては、非常に耐久性が高く、傷や摩耗に強い、表面に凹凸があり、滑りにくくしている物もあります。また、掃除がしやすく、メンテナンス性にも優れています。

 

主によく使われているの用途は商業施設、店舗やオフィスなどや、公共施設といった多くの人が行き交う場所です。住宅やマンションの共用廊下やベランダなど、耐久性が求められる場所にもよく使われています。フローリング調や石調、コンクリート調や畳調の物等、柄のパターンが豊富に選べることでより汎用性が高まっている要因です。弊社が得意とする保育園や介護施設にも適性が高く使用することが多い床材です。

 

空間に高級感を持たせたり、欧米スタイルを演出したい時には「タイル」を使用します。タイルにはさまざまな種類があり、床に使用するタイルの種類としては、

 

・磁器質タイル:非常に硬く、耐久性が高い。水や汚れに強く、掃除がしやすい。
・せっ器質タイル:磁器質タイルに比べて少し柔らかいが、十分な耐久性を持つ。吸水率が低い。
・テラコッタタイル:自然な風合いと温かみがあり、吸水性が高い。
・モザイクタイル:小さなタイルを組み合わせてデザイン性を高める。

 

エントランスや大き目の浴室などで使う事が多く、それぞれの特徴にあったタイルの種類を選びます。形や色味、表面のテクスチャーの種類が多く、欧風スタイルや和風スタイルまで様々なスタイルに合わせて選ぶことが出来ます。

2.壁・天井

壁・天井の仕上げ材で一番代表的なものとしては「ビニルクロス」があります。ビニールクロスは、ポリ塩化ビニルを主原料とする壁紙の一種です。耐水性があり水に強く、汚れがついても水拭きで簡単に掃除できます。豊富なデザインやカラーがあり、部屋の雰囲気に合わせて多くの種類から選べます。機能性を持たせた製品もあり、防カビ、防汚、防水などの特化機能を持つものもあります。他の壁材に比べてコストが低く、施工が比較的簡単で手軽に部屋の模様替えができます。

その反面、耐用年数が短い10〜15年程度で貼り替えが必要になることが多いです。

 

近年は不燃性能のある「木材」の商品が増えており、いろんな建物用途で使用する事が出来るので、木材を使った空間デザインの幅が広がっているように思います。木材は自然な風合いと温かみを持ち、部屋全体に落ち着いた雰囲気を与えます。木目のパターンや色合いが一つ一つ異なるため、個性的な空間を作り出すことができます。

機能面でいうと、湿度を調整する性質があり、室内の湿度を適度に保つことができます。また、断熱性が高く、冬は暖かく夏は涼しい環境を提供します。木材の香りや触り心地はリラックス効果をもたらし、ストレスを軽減する効果があります。

内装に使用される木材の種類としては、ヒノキ・スギ・ウォルナット・チークといったものがあります。他の内装材に比べてコストが高くなることがありますが、その分長持ちし、価値が高いです。

 

空間演出の一環として、「塗り壁材」を使用することもあります。代表的な塗り壁材としては、

 

・漆喰:消石灰を主成分とし、ワラやスサ、のりを加えて作られます。調湿効果が高く、室内の湿度を適度に保ちます。
・珪藻土:古代の植物性プランクトンの化石からなる堆積物。無数の微細な穴があり、調湿性能が非常に優れています。

 

こういった塗り壁材は、 耐久性が高く、自然素材なので環境にも優しいです。職人の手作業による独特の風合いとデザインが高まるメリットがありますが、その分、施工費用が高くなります。

3.まとめ

如何でしたでしょうか。今回は代表的な内装仕上げ材について特徴やメリット、デメリットについてご紹介させてい頂きました。

意匠設計の立場とすれば、建物全体、若しくは限られた空間をどのようなイメージでデザインするか、さまざまな材料の中から選定していくのはもちろん面白味もありますが、多岐にわたる知識や情報が必要な大変さもあります。

 

インテリア業界はファッション同様、毎年のようにトレンドのスタイルやカラーが変わっていきますので常にアンテナを張り情報収集に努め、それぞれの用途、ニーズに合った空間デザインを提案できるよう精進して参ります。