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2021/06/01 |  社員ブログ

豊和開発で実施している建築物のデザイン会議について

特別養護老人ホームやサービス付き高齢者住宅をはじめとする、各種介護施設や保育所やこども園などの児童施設をメインに設計や施工を行っている豊和開発では、各物件プロジェクト毎に「デザイン会議」を行っております。「デザイン会議」とは名前の通り、設計監理部の社員が集まり内外装のデザインについて意見交換・議論する会議です。
1回目は基本設計完了時に外観について、2回目は着工後に内観について議論し、計2回のデザイン会議を経て、オーナー様にプレゼンしております。  
今回は私が昨年設計を担当させていただいたある保育園のデザイン会議を行った時のお話をさせていただきます。

- 目次 -
CONTENTS

1.概要・デザイン意図

大阪市内に建築する鉄骨造2階建ての保育園のデザインを考えることになったのですが、園舎のイメージをオーナー様にお伺いしたところ、「笑顔が森のように集まる、明るい園舎にしてほしい」というご要望をいただきました。
ご希望に沿ったデザインにすべく、私が最初に考えたのが、次の5つです。

①外観のベース色はホワイトで明るい園舎をイメージ
②ピロティとなっている部分の外壁のみ、木目調タイルをヘリンボーン張り(山型に木目を交差させた張り方)にし、単色でシンプルな外壁の中に木目調タイルを使用することで保育園らしい温かみを表現する。
③外観のベース色をホワイトにすることでカラフルな園舎サインが映えるようにする。
④大阪では2園目となる保育園だったので、1園目の保育園に外壁色を合わせることで姉妹園らしさを演出する。
⑤内装は統一感をもたせられるよう、床・腰壁・家具のカラーがなるべく同色になるようにする。

以上をふまえた建築パース(透視図)をデザイン会議にて提出しました。

2.外観のデザイン会議での指摘事項

外観のデザイン会議でいただいた指摘事項をいくつかご紹介致します。 
①当初は外壁の目地を全て消して、建物をホワイトのボックス形状にする予定でしたが、過去の物件にて、半年程で塗装がひび割れし、目地が見えてきてしまったという指摘を受けました。現場からも目地を全て消さずに数箇所残すだけで、全て目地を消す場合とでは劣化具合が違うというお話を聞き、目地を全て消すのではなく一部あえて残すことをオーナー様に提案しました。雨だれを気にされていたので、雨が窓の端から目地をつたって流れるように考慮しました。 

②全面ホワイトの外壁を計画しておりましたが、ホワイトの外壁は汚れが目立つのではないかという指摘を受けました。これを受けてオーナー様には2案ご提案しました。1つ目はホワイトに少しグレーがかったライトグレーの外壁にすること、2つ目は光触媒により付着した汚れを分解して雨水と共に流す塗料を塗布する案です。この2案をご提案したところ、ホワイトにしてもライトグレーにしても汚れたら目立つのでせっかくならホワイトにしたい、というお話があり、後者の案に決定しました。
最終的に、真っ白な外壁にカラフルな園舎サインが映え、オーナー様にも喜んでいただけました。
  

3.内装のデザイン会議での指摘事項

続いて内装のデザイン会議でいただいた指摘事項をいくつかご紹介させていただきます。
①誘導灯はサッシのセンターに合わせる方が良い、また自動扉と重なってしまってるいので天井をあげて設置しては、という意見をいただきました。
今回は天井のセンターとサッシのセンターがずれていたため、誘導灯は天井のセンターに合わせました。天井を上げて設置しては、という意見に対しては、小梁と干渉するため、天井を上げるということができなかったため、配置の検討を設計の段階で正確に行っておくべきだったと反省し、学ぶことができました。デザイン会議を経て、学んだことの一つとして、今後に活かしたいと思います。 

②当初、家具は天板を木目調、収納部分を白色にて考えておりましたが、白い家具は汚れが目立つのではないかという指摘を受けました(※パースはデザイン会議の際に使用したものです)。オーナー様には「天板は木目調+白収納」と「家具全て同じカラーの木目調」の2案ご提案したところ、オーナー様も白い家具は汚れそうだとおっしゃっていました。事前にデザイン会議で意見を募った結果、2案ご提案することができ、結果的に頂いた意見をもとにした案が採用されるに至ったので、周りからいただいた意見は今後も参考にしていきたいと思いました。

他にも建物内の収納量や照明の明るさ、使い勝手等、内装のデザイン会議では様々な意見をいただき、オーナー様にご提案する前に細かい部分まで調整できたので良かったです。

4.終わりに

保育園が完成し、オーナー様が見にいらっしゃった際、第一声が「かわいい!」というお言葉でしたので、大変嬉しく思いました。
2年ほど前から豊和開発で始まったデザイン会議ですが、今回ご紹介したように、デザイン会議を行うことで、自分にはない設計監理部のみなさんの意見や指摘をいただく事が出来るので、オーナー様に提案する幅が増えることと、懸念事項を事前に知ることができるので、懸念事項を払拭した上での提案ができます。今後もこのような取り組みを社内で行い、オーナー様により良いご提案ができるように尽力していきたいと思います。
最後までお読みいただききありがとうございました。