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2022/07/01 |  社員ブログ

建築工事における基礎工事について

豊和開発建築管理部の小早川です。日頃から新築工事の各工程を管理する仕事に携わっており、今回は新築工事の工程内における「基礎工事」について記事にしてみようと思います。
建築の基礎工事とは、地面と建築物や構造物を支えるその上部の加重を地盤に伝える「基礎」を造るための工事のことです。つまりは建築物や構造物の土台となって長い間建築物の重量を支える、非常に重要な部分です。
基礎の役割として、建築物の重量などの垂直な力や、地震の揺れなどによる水平な力を建築物から地盤に伝える事で、力を逃がす事により建築物の一部分だけが沈み込んだり、傾いてしまう「不同沈下」を防ぐなどがあげられます。
基礎は一般的に鉄筋コンクリートでつくられ、底盤、立上り、地中梁、杭などで構成されています。これらの基礎をつくる工事を総称して「基礎工事」と呼びます。もし基礎工事に問題が発生した場合、後から修復することは難しいため、手順毎に正しい方法で施工されなければなりません。

- 目次 -
CONTENTS

1.基礎工事の種類①杭基礎

基礎工事を行う前に、まずは建築予定地の「地盤調査」を行います。調査の結果、もし地盤が軟弱な場合は地盤の固い部分にまで杭を打つなどの「地盤改良」を行う必要がある為です。
基礎工事の種類は地盤の状態や建築物の構造・用途・その立地の性質によって分けられており、軟弱な地盤を改良する「杭基礎」と、地盤に直接基礎を作る「直接基礎」の2つに分かれます。「直接基礎」はさらに「ベタ基礎」・「布基礎」・「独立基礎」に分類されます。「杭基礎」と「直接基礎」の違いは建築物の支え方であり、さらに直接基礎の中でもそれぞれ建築物の支え方が異なります。
この項目では、杭基礎について説明します。
「地盤調査」の結果、建物を支持するのに適した十分な固さを持つ地層(支持層)が深い場所に位置する場合や状況により液状化が起きる恐れがあるなど、地盤が軟弱と判断された場合には、「直接基礎」ではなく「杭基礎」を採用します。
「杭基礎」の杭は、支持層まで到達させる支持杭と、支持層が無い場合に杭側面の摩擦で支える「摩擦杭」があります。「杭基礎」は数メートル(支持層によっては数十メートル)の深さにある固い地盤まで杭を打ち込むもので、建築物を安定させるだけでなく地震等による液状化も防ぐ事が可能です。
「杭基礎」の工法には、地盤へ掘った穴に鉄筋を挿入して杭を作る「場所打ち杭工法」と、既製品のコンクリート杭や鋼杭を地盤に埋め込む「既成杭工法」の2種類があります。
杭基礎は地盤深くまで穴を掘ることになる為、直接基礎よりもコストが高くなる傾向があります。

2.基礎工事の種類②直接基礎

「直接基礎」とは、コンクリートの土台(フーチング)の塊を作り、その上に建築物を乗せる事で重量を支えます。「直接基礎」の場合は杭は使わず、地盤に直接フーチングを設置する事で基礎とします。直接基礎は以下の3種類に分類されます。
・ベタ基礎
「ベタ基礎」は建築物の土台となる範囲にコンクリートを敷き詰める基礎工事で、近年は多くの建築物で採用されています。建築物の底全体をコンクリートで支えるため安定性が高く、地震などの影響で建物の重みにより地盤や建物が不均等に沈んだり滑ったりする「不同沈下」に強いという特徴があります。また地面から発生する湿気やシロアリの侵入を防ぐことができるため、耐久性に優れた建築物を造ることができます。ただし、「布基礎」に比べて施工の手間はかからないものの、コンクリートの使用量が多くなるため、「直接基礎」の中ではコストが高くなる傾向があります。
・布基礎
「布基礎」は建築物の負荷のかかる部分にのみ逆T字状の断面を持つ鉄筋コンクリート入り基礎を埋め込む工事で、これまで多くの木造建築住宅で採用されてきました。地面を全面的にコンクリートで覆うわけではないため、使用する鉄骨やコンクリートが少なく、「ベタ基礎」に比べコストを抑えることができます。ただし、「ベタ基礎」よりも湿気がこもりやすいというデメリットもあり、湿気対策として防湿シート等でコーティングすることがあります。
・独立基礎
「独立基礎」は1本ずつの柱だけを支えるように単独で設けられた基礎で、独立した柱の下で荷重を支えるものです。基礎部がコンクリートで固められた直方体、四角錐など底が広がった形状(フーチング)をしています。
地盤の状況や建築物の構造によって、幅や厚さを変える必要があります。「独立基礎」は地盤が強固な場所で、荷重の大きくない柱などを使い傾斜地に一戸建てを建てる場合や、デッキ基礎などに使われます。

3.基礎工事の流れ

「基礎工事」の流れとしては「地縄張り・遣り方」→「掘削工事」→「砕石敷き」→「捨てコンクリート打設」→「配筋工事」→「型枠工事・コンクリート打設」→「型枠解体・完了」の順に進んでいきます。ただし「杭基礎工事」の場合は掘削工事の前に杭の打設工事を行う形となります。
・地縄張り・遣り方
まず建築物の範囲を示す為、基礎の外周に縄・ロープを使い印を付けます(地縄張り)。遣り方工事については木杭などを使い基礎の高さを示す工事になります。近年は、「レーザーレベル」を用いることでより正確な位置を割り出せるようになりました。
・掘削工事
掘削工事とは、地表面より下の構造をつくるために土を掘って別の場所に搬出する工事です。重機を使い、基礎の地盤まで土を掘り返します。
・砕石敷き
地盤の耐久性を高める為、砕石と呼ばれる細かく砕いた石を地盤全体に敷き詰めます。その後「ランマー」と呼ばれる機械で地面を締め固め、地面全体を転圧します。この作業が不十分ですと、建築物の負荷により基礎が沈下してしまう事がある為、しっかり転圧する必要があります。
・捨てコンクリート打設
前段で敷き詰めた砕石の上に防湿シートを敷き、基礎外周部に捨てコンクリートを流し込みます。捨てコンクリートとは、建築物の位置を間違えないようにするための印で、基礎工事の強度とは無関係となります。
・配筋工事
配筋とは、設計図書にしたがって、鉄筋を切ったり曲げたりして、結束線で固定しながら組み立てる事です。基礎の底にあたる底盤(コンクリートスラブともいう)を先に行った後、基礎の立ての部分にあたる立上り部分の作業を行います。鉄筋と鉄筋は溶接や結束線で結んで固定します。これをしておかないとコンクリートを打設する時に、鉄筋がズレてしまう事があるからです。配筋後は位置や鉄筋と鉄筋の間隔は正しいのか、使用している鉄筋の径は設計図書通りなのかを検査なども含め確認します。
・型枠工事、コンクリート打設
建築物の外部にコンクリートが漏れ出さないように基礎の外周部に型枠を組んだ後、型枠の中に生コンクリートを流し込んでいきます。型枠の隅々にまで生コンクリートが均等に行き渡るよう、注意深く作業します。同時に振動を発生させる長い棒状のバイブレーターを差し込み、打設した生コンクリートを均質化する事で中に気泡が残るのを防ぎます。もしコンクリートに気泡が残ったままになると、その部分の強度が大きく低下しますし、コンクリートに「空気のスキマ(ジャンカ)」が出来てしまい、仕上がりにも影響するので非常に重要な工程と言えます。

コンクリート打設が終わったら、コンクリートが固まって十分な強度が確認できたところで型枠を解体し、「基礎工事」は完了となります。

4.まとめ

いかがでしたでしょうか。今回は、建築における「基礎工事」について説明してみました。文字通り建築物の基礎を形成する工事ですので、ここが不十分だとその後の工事が全て上手く行かなくなる場合もある、非常に重要な工程であると思います。「基礎工事」完了後も次の工程に進み、竣工まで様々な工事を行う事になりますがまた次の機会にご説明させていただければと思います。