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2024/07/19 |  社員ブログ

土地活用の決断は認知バイアスとの闘い!?

はじめまして。2024年4月より豊和開発に入社いたしました、営業本部の荒木です。

不動産営業マンとして3ヶ月が過ぎましたが、まだまだ駆け出しの身として勉強の日々を過ごしております。

私は大学時代、主にマーケティングについて学びました。その中で人間の「認知」について興味を持ち、現代社会の課題の1つであるジェンダー問題を絡め卒業論文では「ジェンダーバイアスと確証バイアスの関連性」について書きました。

社会人になり不動産営業マンとして過ごす中で「認知バイアス」の存在を感じることが多々あります。今回のコラムでは土地活用の決断に潜む認知バイアスについて自分なりにまとめてみました。

- 目次 -
CONTENTS

1.認知バイアスとは

そもそも「認知バイアス」についてご存知でしょうか。バイアスとは「偏り」を意味しています。

私たちは生活の中で物事を判断する際に、経験や固定観念によって、合理的でない偏った考えをもってしまいます。このことを心理学では認知バイアスといいます。

認知心理学や社会心理学などでは、数多くの認知バイアスが取り上げられています。直感や経験にもとづく先入観によって非合理的な判断をしてしまうのは、脳に余計な負担を与えないための工夫でもあります。生活習慣によって生まれた固定観念や、不安、懸念などから起こる認知バイアスを取り除くことは難しいと言われています。

しかし、認知バイアスの存在を知り、発生しうる可能性に対し対策をすることで、そのような思い込みによる非合理的な判断を減らすことは可能です。

2.決断に潜む認知バイアス

決断をする際に現れる認知バイアスを3つ紹介します。

 

(1)確証バイアス

確証バイアスとは、自分の思い込みや先入観から生まれる偏った考えにあった意見ばかりを集めたり肯定したりしてしまうことで、それ以外の意見や情報を無意識的に排除してしまうバイアスです。

私たち営業マンはお客様にとって馴染みのない情報を提供している以上、常に確証バイアスの壁を乗り越える必要があると考えられます。

 

 

(2)正常性バイアス

正常性バイアスとは、予期しない出来事や多少の異常事態が起こっても、先入観や偏見からあり得ない現象と思い込み、それを正常の範囲内としてとらえ、心の平穏を保とうとする働きのことです。この働きは、人間が日々の生活を送るなかで生じるさまざまな変化や新しい出来事に、心が過剰に反応し、疲弊しないために必要な働きをしています。正常性バイアスの特徴として、人数が多いほどかかりやすいことがあげられます。これは災害時に問題視されており、本当に避難が必要な危険が迫った際に対応が遅れてしまう原因となっています。

 

土地活用においてはどうでしょう。例えば、駐車場の空きが増えてきた、今にも崩れそうな古家を保有している、そろそろ相続税対策について考えなければいけない、と思っていても多くの人は正常性バイアスによって「大したことない」「まだ大丈夫」と目の前の問題を小さなものと捉えてしまい、問題の解決に踏み切る人は少ないと考えられます。

 

 

(3)現状維持バイアス

現状維持バイアスとは、自分の知らない情報に対して、現状維持を好むバイアスの事です。これは現状よりも状況が良くなると理解していても、実際に行動に移すことが出来ない原因になります。

なぜこのようなバイアスが働くかというと、行動経済学の「プロスペクト理論」でいう損失回避性が関係しています。自分の知らない情報を受け入れてしまうと、不要な損失リスクが生まれると思い、それを避けようとしているのです。

また、現状維持バイアスは最初の設定をそのまま受け入れる「デフォルト効果」や自分の所有物に対して高い価値があると考える「保有効果」なども関連しています。知識を有していない提案については、いきなり伝えられたところで、間違いなく現状のままを希望してしまいます。

3.認知バイアスの対策

対策を考える際、前項で挙げたような「まだ大丈夫」「今のままでいい」という考えにしてしまう認知バイアスに対し、合理的に検討してもらう必要があります。認知バイアスの対策はいくつかありますので、主な例を3つ挙げます。

 

(1)適切な判断軸を持つ

普段の生活や日々の活動のなかで、個人の直感や経験からの判断ではなく、適切な判断基準を明確にしておくことが必要です。

身近な例として、購買活動が挙げられます。企業は認知バイアスを利用してマーケティングを行っている場合があります。そのため、消費者は「たくさんの人に支持されている」や「主婦のための商品」といった認知バイアスを誘発させる文言に惑わされぬよう、他者の類似商品との比較や、自分が必要とする商品の情報をあらかじめまとめておくなど、客観的な情報の分析による合理的な判断軸を持つことが大切であるといえます。色々な提案を検討していくためにも、判断軸を提案者と一緒に考えるのも良いかもしれません。

 

(2) 批判的な情報を探す

認知バイアスは前提となる自分の意見を肯定する際に働くことが多いため、前提を疑い、批判的な情報を集める癖をつけることで、先入観に流されない合理的な判断ができやすくなると考えられます。

しかし、ご自分の持つ価値観をむやみに否定してしまっては最適な答えにたどり着けません。抱える問題に対して気になることは質問していくことで認知バイアスの壁を超えていきましょう。

 

(3) 具体的数値を用いる

認知バイアスの多くは思い込みや先入観による判断であるため、客観的な数値を用いることで、主観的な判断を防ぐ効果があります。

しかし、認知バイアスによって数値を都合よく解釈してしまう可能性もあるため、他の事例の数値など複数の数値を集め、比較することが重要であるといえます。

4.まとめ

豊和開発はお客様にとって最適な提案ができるよう日々努力しております。

突然の電話や訪問で大きな金額が動くであろう不動産の話を聞かされては、認知バイアスによって誰であっても現状維持を求め、拒絶反応を示すと思います。しかし、地主様にとって損になるようなご提案は絶対にするつもりはありません。

豊和開発の仕事は地主様に寄り添い、認知バイアスと共に闘い、広い視野で我々の提案を検討していただくことだと思います。ご検討いただき、考えがマッチすればその後は豊和開発一丸となってパーフェクトな仕事を行なってまいります。