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2023/04/07 |  社員ブログ

仕事の設計と学生時代の設計との違い

設計監理部の三好です。今年の4月で入社して1年になります。少しずつ設計監理の仕事を知ることはできてきましたが、まだまだ知識不足なところは変わっていません。私は現在2つの案件に携わっています。ひとつは着工したばかりのテナントビル、もうひとつはこれから実施設計に入る特別養護老人ホームです。まだサブとして担当させていただいているので、どちらの案件も自分で設計したものではありませんが、この1年間でいろんな図面を見て、初めてかく図面もたくさんありました。今回は、入社して感じた「学生時代の設計との違い」について書かせていただきました。設計者としてはまだまだ未熟で、知識や情報不足なところもあると思いますが、大学時代に設計の授業で経験したことの記憶が鮮明に残っている今だから感じる、仕事の設計と学生時代の設計の違いを伝えられたらいいなと思います。共感していただけたり、少しでも多くの学生の方の参考になれば幸いです。

- 目次 -
CONTENTS

1.図面の量、密度

入社して設計の仕事をする中で驚いたのは、図面の多さと細かさです。学生時代の設計でかく図面は、配置図、平面図、断面図、立面図、その他にパースやダイヤグラム等の設計意図を伝えるために必要なものを加えていくといった感じでした。豊和開発では、実際に一つの建物を建てるために作成する図面は意匠関係だけでも約50枚ほどあります。平面、断面、立面図に加えて平面図や断面図、階段、外構、家具などの詳細図面、他にも建具やエレベーターの図面も必要です。意匠図の他にも構造や機械設備、電気設備の図面がなければ建物は建てられません。会社によって作成する図面は異なると思いますが、学生の頃にかいていた図面の数よりははるかに多くの図面が必要になりますし、密度も濃くなります。建物を一つ建てるのに想像していたよりたくさんの図面が必要であることを知り、改めて難しい仕事だなと実感しています。すべての図面を理解してスムーズにかけるようになるには時間と経験が必要になりますが、少しでも早く、一つでも多くの図面を理解できるようになりたいと思います。

2.設計の自由度

何でも自分の好きなように設計できないところも学生時代の設計との大きな違いではないでしょうか。コストなどは考えずに基本的に自由に設計していた学生時代とは異なり、仕事として要望を受けて設計するとなると考えないといけないことがたくさん出てきます。お施主様の要望が具体的にある場合は、コストはどれくらいまでで、建物の色や材料の選定などデザインはどんなものが良いのか、家具はどんなものを置きたいのか、どんな設備が必要なのかなど、完成する建物のイメージがはっきり決まっていたりします。また、コストは決まっているが、それ以外はおまかせしますといった場合もたくさんあります。決められたコストの中で期待以上の提案をできるかどうか、設計者の腕が一番試される場面だと思います。そんな場面は設計士として実際に働くまでは、あまり経験することはないと思いますが、学生時代の経験も役に立つと感じています。私は学生の頃の設計を通して、それぞれの課題に対してコンセプトを考えたり、用途や場所によって誰のための何のための空間なのかを考えたり、周辺環境や敷地の形によっても考え方は様々で、出来上がるものも様々であることを学びました。また、建物の外観や内装を考えることを通して、デザインする力も学生なりに身に付けられたと思っています。それらの学んだことを設計に最大限活かして、コストやデザインなどの制限がある場合でも良い提案ができる力を身に付けていきたいと思います。

3.設計したものが実際に形として残る

仕事の設計と学生時代の設計との一番の大きな違いは、設計したものが実際に建ち、形として残ることだと思います。自分が設計したものが実際に完成したときの感動というのは、学生生活の中ではなかなか味わえないものです。私もまだその感動は味わえていません。私は学生の頃、思ったようにできなかったり何度も考え直したりしながら時間をかけて設計したものが、実際に建ち誰かに使われているのを見てみたい!と思い、設計の仕事に就こうと思いました。実現させるには、学生の頃以上に悩んだり、うまくいかなくて落ち込んだりする場面に多く直面すると思います。それでも、実際に設計したものが形として残ることの感動を経験したいという思いがあれば、うまくいかなくても、辛いことがあっても設計の仕事を続けていけると思います。

4.まとめ

今回は仕事の設計と学生時代の設計の違いについて、私が特に感じたこと3つについて書かせていただきました。今後経験を重ねていくうちに、設計士という立場でしか経験できないことがもっと出てくると思います。今学生の方々もこれから働き出した時に、学生と社会人の違いを感じる場面が多くあると思います。その時に、「学生時代」と「仕事」を分けてしまわずに、学生の頃の経験を活かして仕事につなげていって欲しいと思うので、今は学生の間だからできる設計を楽しみながら、いろんな建築や図面をみて、働き出した時に役に立つ知識を一つでも多く身に付けていって欲しいなと思います。