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2022/11/25 |  社員ブログ

社会福祉法人に土地を売ると、譲渡所得税が控除される?

皆さんは、不動産を売却して利益を得ると発生する「譲渡所得税」を知っていますか?

この「譲渡所得税」は最大で利益の約30%もの負担を強いられる事も。

 

不動産の売却を検討する際、売却して得た利益が大きければ、

譲渡所得税の金額も大きくなってしまう…と不安を煽られる方も多いのではないでしょうか?

 

実は、この譲渡所得税をかなり低く抑える事ができる、不動産売却に関わる税金控除や特例がいくつかあります。

 

比較的身近なものだと「居住用財産(マイホーム)の3000万円控除の特例」というものがありますが、

こちらは実際に居住している、もしくは住まなくなった日から3年を経過するまでの家屋に限られてしまいます。

では、実際には居住していない、稼働率が下がってきた駐車場や農業をしなくなった田畑等を売却したい場合、

こういった税金控除の特例を受けられるケースはないのでしょうか?

 

答えは「あります」。

 

今回のコラムでは、その方法のひとつとして、社会福祉法人へ土地を売却した際に適用される税金控除についてご紹介させていただきたいと思います。

- 目次 -
CONTENTS

1.収用等に係る課税の特例

土地の譲渡所得に対する課税の特例制度のひとつに「収用等の場合の5,000万円特別控除」というものがあります。

 

一般的に、公共事業などのために国や地方自治体へ土地建物を売った場合に使うことができるこちらの特例ですが、実は、個人が社会福祉法人に土地を売却(譲渡)する場合にも適用されるのです。
この特例が適用されると、譲渡所得から最大5,000万円までの特別控除を差し引いて、税金の計算が行われます。

計算式にすると以下のようになります。

 

 

課税譲渡所得金額=譲渡収入-(譲渡資産の取得費+譲渡費用)-特別控除(5000万円)

 

 

譲渡所得税額は課税譲渡所得金額に税率を掛けて計算されるため、5000万円控除による所得税負担の削減は、決して侮れない節税対策となるのです!

 

【控除適用の一例】

30年前に購入した土地、売却価格1億円、取得費500万円、譲渡費用600万円の場合(所有して5年が経過している為、税率15%で計算。5年以下の場合は30%となります。)

 

 

通常は…
1億円-(500万円+600万円)=8900万円(課税譲渡所得金額)
8900万円×15%(税率)=1335万円(譲渡所得税額)
社会福祉法人に売却したら…
1億円-(500万円+600万円)-5000万円(特別控除額)=3900万円(課税譲渡所得金額)
3900万円×15%(税率)=585万円(譲渡所得税額)
1335万円-585万円=750万円(=税額の削減)

2.特例が適用される条件・事業の種類

ところで、社会福祉法人に土地を売却すればこの特例は必ず受けられるかというと、そうではありません。以下の要件を満たすことによって、本特例を使うことができます。

 

① 売った土地建物が固定資産であること。
(不動産業者などが販売目的で所有している土地建物は、固定資産ではありません。)

② その年に売った資産の全部について、「収用等に伴い代替資産を取得した場合の課税の特例」の適用を受けていないこと。
③ 最初に買取り等の申出があった日から6か月を経過した日までに土地建物を売っていること。
④ 最初に買取り等の申し出を受けた者が譲渡していること。
そして、
⑤ 譲渡した先の社会福祉法人がその土地で特定の社会福祉事業を行うこと。

 

特定の社会福祉事業とは、例えば以下のような施設を指します。

 

■第一種社会福祉事業
救護施設、児童養護施設、特別養護老人ホーム、障害者支援施設etc…
■第二種社会福祉事業
老人デイサービス、老人短期入所施設、保育所、幼保連携型認定こども園etc…

3.特例の適用を受けるための手続き

売主側にとって節税効果の高い本特例ですが、この特例を受けるための手続きは、買主である社会福祉法人が行うこととなり、税務署との事前協議や確定申告時に添付する証明書の発行などがそれにあたります。

 

事前協議とは、確実にこの特例が適用されるかどうかを税務署に相談する制度です。

法令で定められた制度ではありませんが、事前協議を行っておくことで、後々、この特例が適用されないといったことが判明するなどのトラブルを未然に防ぐことができます。

 

事前協議は売買契約の前に、買主である社会福祉法人に行ってもらう必要があるので注意してください。

売主は、社会福祉法人から交付された「収用証明書」などの書類を添付して、譲渡した年の翌年2月16日~3月15日の間に確定申告を行うことによって、この5000万円の特別控除を受けることができるのです。

4.さいごに

このように社会福祉法人に土地を売ることで、居住している不動産以外の財産でも高い節税効果が期待できます。

とはいえ、売却を検討するタイミングでちょうど良く、土地を買いたい社会福祉法人を個人で探し出す事は手間も時間も掛かり、現実的ではありません。

 

豊和開発では「地主様へ土地の有効活用の提案を行うとともに、主に福祉事業に関わる建物の設計や建築をしている会社」です。

 

日頃から新規展開を希望される社会福祉法人様や社会福祉事業の認可に関わる情報収集を行っており、土地の買主候補として社会福祉法人様のご紹介も可能です。

土地の売却をお考えで、売却時の税金をできるだけ低く抑えたい…そういった方は是非一度、当社までご相談ください!