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2022/07/15 |  社員ブログ

介護保険施設のリノベーション化

こんにちは。私は豊和開発 設計監理部の大谷です。私は設計監理部に所属し日々、介護保険施設や、児童福祉施設などの意匠設計の仕事に励んでおります。そんな中で最近多いのが、介護保険施設、特に民間施設に多いのですが新築での設計依頼の他にアパートやマンション、テナントビル等を改装して老人ホームや障がい者グループホームといった施設にできないかという依頼が少しずつ増えてきています。これは昨今の世界情勢の影響による建築費の高騰やデフレによる影響が大きいのではないでしょうか。2015年に「空き家対策特別措置法」が施行され、全国的に空き家問題に関心が集まりました。私自身も徳島県の田舎出身であり、母の実家が空き家となっていることからも、とても身近な問題として考えさせらています。地方創生やリノベーションといった言葉も一時期ブームとなりよくメディアで取り上げられるようになりました。これまでは空き家をカフェや宿泊施設などにリノベーションし再利用させるといった事をよく耳にしましたが、介護保険施設として再利用する為に自分自身が仕事で携わることになるとは想像していませんでした。今回は既存建物をリノベーションして介護保険施設として利用するにあたり設計の立場から必要な事や注意する点についてまとめていきたいと思います。

- 目次 -
CONTENTS

1.リノベーションとリフォームの違いって?

まず、リノベーションとリフォームの違いって何か?意外と明確に違いを知らず混同している方も多いのではないかと思います。
 リノベーションとは改装・修復といった意味を持ち建物の用途や機能を変更して向上させ価値を高めることとされています。
 リフォームとは古くなった建物を改築や改装して作り直すという意味合いで使われます。ちなみにリフォームは和製英語で本来は改宗や改心するという意味で使われます。
 それぞれの違いについては、リノベーションとは間取りや設備配管のやり替えなど大規模な工事をする場合に使われ、リフォームはキッチンや内装仕上の修復など比較的小規模な工事をする場合に使われます。
 私が設計依頼を受けるのは、もともと使われていた用途から間取りや機能といった大きな変更を要するものですのでリノベーションに当たると言えます。

2.用途変更申請とは?

 ある一定規模で元々使われていた建物用途から違う用途として建物を使用する際、建築基準法の用途変更申請が必要となります。用途を変更する規模が200㎡以下の場合や類似用途として使用する場合以外は用途変更申請の対象となります。私が依頼を受ける介護保険施設への変更は用途変更申請が必要になるケースがほとんどです。
 用途変更申請する必要がある場合、新築当時、又は一番直近に受けた確認申請済証や完了検査済証が必要になります。古い建物の場合こういった物がない場合があります。その場合には用途変更をする前に既存建築物が現在の建築基準法に合致しているか、構造上問題がないかを調査し審査を受けないといけなくなります。古い建物になるとその大半が建物強度の見直しや建築基準法に合致させる為の改修工事から必要になり、申請期間や手続きをするための費用が多くかかってしまいますので注意が必要です。事前に必要な書類や改修しようとする建物の調査を行ってから事業を進めることが非常に重要です。

3.バリアフリー化

 弊社で依頼を受けることが多い介護保険施設へ用途変更する場合、廊下幅や床の段差を解消するなどバリアフリー化への適用が必要となり飲食店や物販店舗などへの変更に比べてより注意する点や改修が必要になる工事が増えそれなりに費用がかかることになります。弊社の所在地である大阪でいうと大阪府が定める「大阪府福祉のまちづくり条例」に準拠しなくてはなりません。規模や既存建物の状況にもよりますが、具体的には、多目的トイレの設置、EVの増築、廊下幅や建具幅を広げる為の工事などが必要になってきます。EVの増築が必要になる場合ですとそれだけで1,000万円単位の費用がかかることになります。近年バリアフリーに対する考えが深まり条例などで建築物に対する適用化が進んでいますが、古い建物は時代背景からもバリアフリーの観点を取り入れていない建物がほとんどです。確かに既存建物をリノベーションすることにより新築で一から建築するよりはイニシャルコストを抑えることが出来るとは思いますが、バリアフリー対応をしっかりすることにより意外と改修費がかかると感じる方も多いのではないかと思います。

4.まとめ

私自身はまだ実際に既存の建築物を介護保険施設として用途変更し開設に至るところまでは携われていません。しかし着々とプラン作成の依頼が増えてきていることは確かですので、近い将来実務で携わることになるでしょう。新築建物の設計と比べて、リノベーションの設計は制約が多く難しい一面があります。いざ自分自身がリノベーションを担当するその時に備えて日々の勉強で知識を貯えて、頼れる建築士としてクライアントの力になれる事を目指します。建築士は、自身の知識や経験をアップデートしていく事が求められる職業です。皆さんも、常にアンテナを張り続けることで必要な情報を収集していきましょう。最後までお付き合い頂きありがとうございます。