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2021/10/02 |  社員ブログ

建物のデザイン

こんにちは。
私は豊和開発株式会社の設計監理部で意匠設計、工事監理等の業務を担当しています。以前「カラースキームとプレゼンまでの工程について」という記事(http://www.howa-d.co.jp/column/2206.html)を書かせて頂きました。今回はおおもとの「建物のデザイン」について書かせて頂きたく思います。街並みを歩いていると、建物には様々な表情があることに気がつきます。どの建物も同じ物はひとつとしてありません。一体どのようにしてデザインを決定してゆくのか。わたしなりの建物のデザインの考え方や・進め方をご紹介できればと思います。

- 目次 -
CONTENTS

1.デザインとは?

「デザイン」と聞いたら、何かで装飾したモノをご想像される方が多いと思いますが、建物のデザインはそれだけではありません。建物は空間を形成してゆきますので、いろいろな要素の集合体が建物としてまとまって形作られてゆきます。例えば「風の通り道のデザイン」「光の取り入れ方のデザイン」「植栽デザイン」「仕上げ材の配色デザイン」等建物単体で完結するデザインや、「土地の記憶を取り入れたデザイン」「街並みに配慮したデザイン」等その地域の特徴を考慮して、友好的に地域に歩み寄って考えるデザイン等。「デザイン」という言葉ひとことですが、膨大な意味が込められているのです。

2.検討するデザイン項目について

デザイン要素は、ある意味いくらでも挙げる事はできますが、いろんな要素を詰め込むと、何を表現したい建物なのか分からなくなってゆきます。ですので、私は様々な情報を整理して、分かり易い道筋をつくり、受け手に分かり易い形でまとめてゆく工程も「デザインを行う」という意味で捉えて業務を行っております。
私はいつもプロジェクトの初期段階でいくつかの工程を踏まえて、各要素からコンセプトの種を拾い出し、その情報を整理する事から始めます。
まずは、お施主様へのヒアリングを行います。お施主様がどのような建物を想像しているのか、どんな希望をもってこのプロジェクトを発足したかなどお尋ねします。具体的に外装関係ですと、「コーポレートカラーを取り入れた外装計画にして、街の人々に会社の存在をアピールできるようにしたい」という要望があったり、保育施設では「あったかい印象を受けるようにしたい」という要望があったりしますので、選定する外装材で社風を表出したりします。また、内部環境にいたった話では、地球環境に配慮して、自然換気を促進できるような計画とし、吹き抜けやハイサイドライト等の開口部を計画したり、地域の地場産業を応援する為、地場産木材を多く使用した内装材の選定する等、これまでにお施主様によって様々な要望がありました。工事が終わったあと、何十年と使い続ける建物になりますので、お施主様には納得頂ける建物となるよう、注意深くヒアリングする事を気を付けています。
また、建設予定地の現地確認も大事な項目かと思います。現地確認では、街の雰囲気、周辺建物の建物形状の特徴・密集度等を確認してゆきます。街の雰囲気を壊すようなデザインとならないよう現地確認は設計前には必ず行っています。
これらの、デザイン要素に優先順位を決めて、コンセプトをまとめてゆきます。

3.検討するタイミングについて

多くのデザイン要素を検討するタイミングは、ほとんど基本設計時に検討し、その要素を盛り込んでゆきます。
このタイミングを逃して後で変更しますと、手戻りが多く関係各所へ迷惑をかける事に繋がるので、各項目に見落としが無いよう設計図書に落とし込んでゆきます。基本設計で仕上げる図書は一般的に、概要書・仕上表・平面図・立面図・断面図等です。基本設計に続く、実施設計になりますと各詳細検討を行い、実際に納まる図面として表現してゆきます。基本設計が建物の大きな印象を決めることになり、実施設計では、実際に目につくデザインの検討を行います。実施設計では細部のディテール検討が肝になってきます。建具枠の厚みの違いによっても空間の印象が変わってくるので、いつも竣工を迎えた時は新たな発見に満ちています。毎回、新しい納まりを試めしながら設計させて頂いています。また、私の場合は、監理段階で各職人さんと話し合う場を設けて頂いています。自分の経験値では知りえなかった技術や納まり等お話を聴くのは大変勉強になり、この職人さんとの打合せによってディテールを決定してゆく事もあります。
設計業務では一つ一つの決定を構築して最終の竣工を迎えます。
基本設計 → 実施設計 → 現場監理 各々で必要なタイミングを逃さないようにデザイン検討を進めてゆきます。

4.まとめ

デザインとはつくられたモノによって表現されますが、根本的な目的は、デザインを通しての「コミュニケーション」がデザインそのものと私は思っています。その建物が街に馴染む建物だったら、そこには町との対話から発生したコミュニケーションによって、様々なデザイン要素が生まれ決定を迎えたと思います。また、竣工を迎えた空間が、気持ちの良い環境を演出できていたら、風の通り道をしっかり計画していたり、程よい採光が注がれるよう開口部の大きさを調整をしていたり、お施主様との対話はもちろん、計画地周りの近隣環境との対話があったのではないでしょうか。形を通して、人・環境とコミュニケーションする。そんな大きく・おおらかな考え方をして設計・監理業務をこれからも行ってゆきたく思います。