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2024/06/28 |  社員ブログ

建築基準法の緩和規定と活用用途

豊和開発株式会社設計監理部の大谷です。

土地をお持ちの方でその土地をより良く活かすにはどうすればいいのか、よりお得な方法は無いのかと考えておられる方も多いのではないでしょうか。お持ちの土地の有効活用をお考えの方にとってお得な建築基準法の緩和規定があります。特に高さの高い建物を建てて有効活用したいときに有利に働くことが多くあります。

これから紹介する種類の公共施設が隣接する土地に対してそれぞれの緩和規定をご紹介させていただきます。それぞれの場所によってのおすすめの活用用途についても記述していきたいと思います。

- 目次 -
CONTENTS

1.公園・広場

公園や広場に隣接しているお土地をお持ちの方はこんな緩和が受けられます。
道路・隣地斜線制限について、通常、道路斜線制限は、土地に面している道路の反対側からの斜線制限を受け建物を建てられる高さの制限を受け、隣地斜線制限は、他の土地と面している境界線上からの斜線制限を受けます。

公園や広場が道路向かいに面している場合は公園の反対側の斜線制限となります。隣地境界線で面している場合は公園・広場の半分の幅からの斜線制限となり通常の制限より高い建物を建てることが可能になります。
建物内に一定の決められた基準の自然光を取り込む規制についても公園の半分の幅分隣接建物からの距離が余分に確保出来ているものとして計算することができます。
斜線制限や採光の緩和が受けられることから、マンションやビル、また自然光を多く取り入れる必要のある大きな空間を設けた間取りを作ることなども可能になります。

 

採光面以外ではあまり緩和規定の恩恵を受けないかもしれませんが、弊社で設計させていただいている保育所や老人ホームといった社会福祉施設においては、近くに公園や広場があるお土地は事業者様から非常に喜ばれますのでそういった用途での活用にも向いているかと思います。
公園が無くなることはあまりありませんので、長く自然採光の確保が期待できますし、マンションの様に住宅用途としてもお土地の価値を高められると思います。

2.水路・河川

水路や河川に隣接しているお土地をお持ちの方はこんな緩和が受けられます。
道路・隣地斜線制限について、公園や広場と同様に道路向かいに面している場合は水路・河川の反対側の斜線制限となります。

隣地境界線で面している場合は水路・河川の半分の幅からの斜線制限となり、通常の制限より高い建物を建てることが可能になります。
採光の規制についても公園同様に半分の幅分隣接建物からの距離が余分に確保出来ているものとして計算することができます。
さらに、建物が敷地から特定距離の範囲内に一日の内一定時間以上日影にならないよう規制を受けることに関しても水路・河川の半分まで緩和されます。

 

やはりこちらも斜線制限や採光の緩和が受けられることから、高層のマンションやビルの計画には有利に働きます。日影など周辺に与える影響が少ないということは周辺から受ける影響も少なくりますので、戸建て住宅などの住宅用途にも適していると思います。

また、河川敷きは最寄り駅が遠い場合もありますので少し駐車場が確保出るお土地でしたら、介護施設としての土地活用でも考えられるかと思います。自然を感じながら日々の生活を送ることが出来る介護施設は魅力的ではないでしょうか。
また、景色がいい場所も多くあり、飲食店などの店舗としても活かされているケースが多いように見受けられますので、そういった方向の活用にもおすすめです。

3.線路敷き

線路敷きに隣接しているお土地をお持ちの方はこんな緩和が受けられます。
道路・隣地斜線制限について、水路・河川と同様に道路向かいに面している場合は線路敷きの反対側の斜線制限となります。

隣地境界線で面している場合は線路敷きの半分の幅からの斜線制限となり、通常の制限より高い建物を建てることが可能になります。
採光の規制についても公園同様に半分の幅分隣接建物からの距離が余分に確保出来ているものとして計算することができます。
日影規制についても線路敷きの半分まで緩和されます。

 

一般的に好立地と言われるエリアになりますので元々お土地の価値が高いので無理して活用することを考えている方が少ないかもしれませんが、高い建物を建てるのに有利なこと、駅近で利便性がいい事から、高層マンションやビルの計画に有効に緩和規定を利用することが出来ます。利便性がいい駅近ですので商業施設や保育所、介護施設等適した建物用途の幅も広がります。

4.最後に

地主様の持っているお土地は様々な立地にありますが、条件によれば今回紹介したような建築基準法の緩和規定を利用して本来その土地をより有効に活用できると思います。

また、それぞれのお土地に合った適材適所の建物用途を検討し、本来その土地が持つポテンシャルを最大限に活かす有効活用提案を弊社が出来るように尽力していきたいと思います。

設計監理部の立場とすれば、建築コストの効率がよい建物であり、デザインや機能性で建物としての付加価値を付けたご提案が出来るよう日々努力していきたいと思います。