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2026/02/06 |  社員ブログ

令和8年度税制改正について

こんにちは、豊和開発で主に経理を担当している村上です。
2025年の年末調整は基礎控除が従来の48万円から年収に応じて最大95万円まで拡大されるなど、例年と比べて注意しなければならない部分が増え経理担当者としては、大変でしたが、皆様はいかがでしたか。
そんな年末調整業務の最中である2025年12月26日に税制改正大綱が閣議決定され、令和8年度税制改正大綱が公表されました。これにより2026年度の実務に影響を及ぼす具体的な改正内容が明らかになりましたので、今回はこの税制改正について取り上げたいと思います。

- 目次 -
CONTENTS

1.改正の概要

税制改正大綱とは、翌年の税金の仕組みをどう変えるかを政府と与党がまとめた「税金の方針書」です。年末に発表され、翌年の国会で審議される税制改正のもとになるため、実質的に“来年の税金の方向性”を決める重要な文書です。
今回の大綱では、物価上昇への対応として、基礎控除や給与所得控除の見直し、通勤手当などの非課税枠の調整など、家計の負担を軽くする内容が目立ちます。一方で、企業向けの税優遇は整理し、成長分野に重点を置くなど、税制にメリハリをつける方針も示されました。さらに、防衛力強化の財源確保や、暗号資産の分離課税化など、国の財政や資産形成をめぐる新しい動きも盛り込まれています。
次に、今回の税制改正において経理業務、年末調整業務を行う上で重要な改正案があった為、そちらの改正案について見ていきます。

2.178万円の壁へ

令和8年税制改正において、年末調整業務を行っている実務担当者に最も影響のある税制改正は、基礎控除等の引き上げです。
これまで、パートタイムやアルバイトの方々が意識してきた「103万円の壁」。これは、令和7年度の税制改正において160万円にまで引き上げられました。しかし、昨今の物価高騰や賃金上昇に対し、いまだ不十分であるとのことから、年収665万円以下の方を対象に基礎控除額が104万円、給与所得控除の最低保証額も74万円に引き上げられ、あわせて178万円となる予定です。ちなみに、新たな基準として示された「178万円」は、1995年からの最低賃金上昇率(約1.73倍)を反映させたものになっています。
また、基礎控除の104万円の内訳は本則部分が62万円、特例部分が42万円となっており、本則部分は、令和10年以後見直しが予定されており、直近2年間の消費者物価指数の上昇率に応じて2年ごとに調整が行われ、特例部分については、生活保護基準額を勘案して見直す予定となっているようです。経理業務を行う上では、基礎控除の本則部分が62万円に引き上げられたことに伴って、配偶者控除、扶養控除、障害者控除、寡婦控除、ひとり親控除の所得要件も62万円以下に引き上げられたことに注意が必要となっています。2025年、2026年と連続してこの控除関係には改正が入る予定となっており、所得税の控除額が増えることは良いことですが、年末調整時期の経理担当者の負担は必然的に増すと思われます。

3.少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例について

もう一点、このまま成立すれば実務に影響を及ぼす改正がありました。それが、少額減価償却資産に関するものです。
令和8年度税制改正大綱では、中小企業向けの「少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例」が拡充・延長される見通しとなっています。主な変更点を下記にまとめました。
主な変更点
・取得価額基準の引き上げ: 30万円未満 → 40万円未満。
・適用期限の延長: 2025年度末 → 2029年3月31日まで(3年間延長)。
・適用対象法人の見直し: 常時使用する従業員数が400人を超える法人は対象外となります。
なお、従来から変更はありませんが、本特例の注意点を改めて下記に整理しました。
・年間適用上限額: 300万円
・償却資産税の申告: 税務上は一括で費用処理できますが、地方税である「償却資産税」の対象には含まれる点(10万円未満の「資産」や20万円未満の「一括償却資産」とは扱いが異なります)。
・明細書の添付: 適用を受けるためには、確定申告書に「少額減価償却資産の取得価額の計算に関する明細書」を添付する必要があります。
この改正についても物価上昇に起因するものとなっています、新しいパソコンを導入しようとしても、ちょっと良いパソコンは30万円以上することが多いです。
とはいえ、高額なPCやサーバーなども即時償却可能になるため、IT投資のチャンスといえるのではないでしょうか。
ただし、これらの制度は、租税特別措置法に基づく時限措置であり、数年ごとに見直しが行われるため、今後の動向に注意が必要です。

4.最後に

今回は、令和8年税制改正について、特にこれは経理業務について影響が大きそうだという2点のみ取り上げました。それ以外にも数多くの改正がありました。この後、今回の税制改正を基に法案が作成されて2月の改正法案が国会で審議されることになります。問題がなければ3月に成立、4月から新しい改正が適用されることになるため、実際に法案がどのような形でまとまるのかが重要である為、常に最新の情報を確認することが必要となります。