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2025/02/14 |  社員ブログ

決算について ~日常からの構え~

経理業務における重要業務のひとつである「決算」。
経理にとっては、日常業務を行いながら、同時に決算を行う必要があり、なかなかハードな作業かと思います。
さらに、中小企業の場合、経理部門の人員が少なかったり、中には「ひとり経理」で心細くされている方もいるのでは、と思います。
そんな方や経理初心者の方に向けて、決算を迎えるにあたって日頃からの備えておくと良いことについてまとめてみました。

- 目次 -
CONTENTS

1.そもそも決算とは

決算とは読んで字のごとく最終的に数値を決定・確定させることで、一定期間で区切り損益を計算し、決算日時点での資産・負債・純資産の状況を確定させることを言います。

 

あらためて決算の目的をおさらいすると

 

➀利害関係者に報告する
当該事業年度における営業成績や財政状態を確定させ明らかにし、利害関係者に報告する。このために作成されるのが、貸借対照表、損益計算書、株主資本変動計算書などになります。

 

②申告、納税
決算数値をもとに、法人税等の申告、納税をする
ご存知の通り、決算から2ヶ月以内に法人税等の申告、納付をする必要があります。法人税等の計算において、決算の数値がベースとなるため、間違いないよう決算を行う必要があります。

 

③経営に活かす
決算によって、営業成績、財政状態が明らかになりますが、それでおしまい、ではなく、ではどうだったのか?という分析をし、経営者が経営判断を下します。決算の目的で言うと、ある意味、これが一番重要かと思います。

2.決算に向けて日頃の備え

前述の通り、決算は日常業務を行いながら進めていくので、普段に比べて必然的に業務量が多くなります。決算時期に慌てることがなく、決算業務に向き合うことができるよう、日頃からの備えが重要です。

 

日頃の備えとして個人的に心掛けていることは

 

➀月次で消化できるものは消化する
会計処理でわからないことが発生した場合、後回しにしたくなりますが、必ずその月次内で解決するようにしています。これを怠るとどんどん不明点、未解決のものがたまり、決算時期になって慌てるということになりかねません。
また、時間があけばあくほど、どういう内容なのか、何が不明なのか、ということすら記憶がなくなる、ということにもなりかねません。
わからないものは調べて解決するか、顧問税理士に相談して、月次内で解消するようにしています。

 

②勘定科目の残高を合わせておく
本決算の際にまとめて勘定科目の残高を合わせようとすると、なかなかの労力になります。
月次で科目残高を合わせておくことで、情報の整理ができ、また、毎月情報を追っていることになるため、各勘定科目の推移や状況をよく理解できている状況で決算を迎えることができます。
月次で残高を合わせておけば、決算の際、80%のものを100%にする、月次で残高を合わせておかないと、0~10%のものを100%にするイメージでしょうか。月次で残高を合わせておかないと、大変であることがおわかり頂けるかと思います。
業種、業態によって、重要な勘定科目は変わりますし、一概には言えませんが、売上、売上原価に関わる経過勘定(売掛金・買掛金など)は必ず合わせておくことをおすすめします。

 

※基本的に月次決算で各勘定科目を合わせているとは思いますが、特に重要な勘定科目は数字の根拠となる書類を揃えた上で合わせておくべきかと思います。残高が合わせにくい勘定科目については、補助科目を作成してわかりやすく整理しておくのも手です。

3.決算に向けて日頃の備え つづき

③決算予測をする
売上、売上原価、販管費、損益・・・
ただ、漫然と日々の会計を積み重ねていくのではなく、現状はこうだけど、決算ではどうなるかということを予測します。
月次決算で、当該月までの推移と当該月の確定数字は皆さん確認されていると思いますが、決算まで予測していますでしょうか。

 

弊社の場合、タイミングとしては(区切りとしては)、月次決算を行い、月次の数字を確定させた後、予測を行います。
期末までに起こりうる特殊な事項はないか、売上、売上原価、販管費はどう推移しそうか、など、当該月までの情報と予測したものを数字に落とし込み、それを表にしています。

 

先の見込みの予測と、特殊事項がないかの確認ですが

 

例えば、今期は新入社員がたくさん入社したから必然的に「給与手当」が増えるし、合わせて「法定福利費」が増えるよね、さらに〇名増えたから〇円位増えるよねであったり、今期は〇月に大々的に販促キャンペーンをするから広告宣伝費が増えて、〇月には売上が上がる見込み、など、考えうる予測をして、それを数字で落とし込みます。
なぜ予測が大切かというと、予測を毎月更新していくことで、本決算の際に慌てて数字を合わせたりすることがなくなり、何よりも毎月経営者と情報を共有することで、スピード感を持って経営に活かしたり、決算に向けての対策を講じることができるからです。

 

例えば、思ったより売上が上がりそうだからこういうことに予算を当てたい、となっても、情報が遅いと時期を逸したり、間に合わなかったりということもあります。
また、税金対策をしたい、など何か対策を講じなくてはいけないとなった場合、時間的に余裕があれば、より有効な対策をうつことができます。
そして、予測をすることで日々の業務の見直し、ミスがないかの確認につながり、処理が間違っている場合など、早めに気づいて軌道修正することができ、決算期末に慌てて修正する、ということも少なくなります。

4.最後に~何よりも大切なこと~

そして、何よりも日々のひとつひとつの業務(仕訳、伝票起票、会計処理など)をいかに正確に処理できるかが大切だと思います。
日々積み重ねてきた業務の集大成として決算がありますので、日々の一見地味な業務をいかに正確にコツコツと積み上げられるかが、決算を効率的に進めるキーとなります。
また、日々の業務が正確であるという裏付けにより自信が生まれ、不安感なく決算にも臨めると思います。
これから決算を迎える方にとって、一助になれば幸いです。

 

【豊和開発株式会社 木村】