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2026/02/13 |  社員ブログ

建築設計者として

皆様、いつもありがとうご ざいます。 私は豊和開発株式会社の香川清和と申します。今回は2回目の投稿となりますので、よろしくお願い申し上げます。
私は今まで建築設計者の立場で40数年間の業務を行ってきた経験がありますので、我が社では、その経験を有意義に活かして、若い後輩たちを育てて立派な建築設計者として、また社会人としての自覚を持った人に育ってほしいと思っています。そのためには、上から目線による強要するような押し付けの教育指導でなく、視線を同じレベルに置いてお互いのコミュニケーションでもって接していくつもりです。

- 目次 -
CONTENTS

1.有機的な人としての感性

私が若い時に知り合った方なのですが、いまでも憧れていて尊敬している建築家が一人います。その方は、私が青年時代に大工である父の関係で知り合った方で、社会人になって建築設計事務所に勤務した時には、その方は私にとっては遠い雲の上の存在であることを知りました。初めて声をかけて頂いた時に、「香川君、設計するときは数値にこだわらないで。」と、それだけ言って後は黙ってうなずいておられました。その時は、私は数値にこだわらなければ、設計ができないと思っていましたので、身辺の先輩の方々にどのような意味なのか尋ねてみると、それは感性を大事にしなさいと言っているのではないかとの意見でした。当時、私は若輩者でしたので、発言の意味がまったくわかっていなかったのですが、その後、歳を重ねるごとに少しづつ感づいてきました。いまでは、非常に重い一言であり、貴重なアドバイスを受けた場面でした。無機的な技術者としてでなく、有機的な人としての感性を大事にする建築設計者となるべきとの意味合いを含んだ内容だと、自分なりに解釈しています。

2.ヒューマニズム

また、その先生は常に人間性とかヒューマニズムを大切にして建築の設計に取り組むようにと言っていました。それは私の個人的な主観になりますが、完成した作品である建物を観たときに感じることであり、雑誌に掲載される写真ではわからないことでした。例えば、手で触れる手摺などは握りやすくて優しさを感じるデザインであり、きれいなスタイルを呈していました。また、開口部のデザインには品があるので、若い時の私は設計するときにその真似をしたいと思って比率を確認して模写しようとしたのですが、何故かわからないのですが何かが違うのです。思うようにうまくいかなかったのです。そうして自分の非力を自覚し、とても悔しい思いをしました。この時、以前に先生から「数値にこだわらいで・・・」とのアドバイスを思い起こして、この言葉の意味をほんの少し実感しました。まず、私の手法は根本的に感性が欠けていたのと共にヒューマニズムを基本とした設計手法でなく、ただ無機的に機械的に生産しているだけの建築設計だったのだと気が付き、この時は自虐する思いでした。

3.責任感を持って

先生からは、自分の言っていることが全て正しいと勘違いをしてはいけない。人の言っていることを、まず聞きなさいと言われました。特に、発注者であるクライアントは、今まで大切に貯めた資金を投資されるのであるから、まずクライアントの発言や意見を最優先に伺い、発言の意味をよく考えてから、設計を進めることが設計者の重要な役目なのだよと教えられました。そのようにして完成した建物は、クライアントにとってみれば自分の夢が実現している建物となり、設計者としては自分の感性が表現されている建物になるのだから、決して手を抜いて設計してはいけないと言われました。また、その建物は完成してからは、常に一般の方々に観られていることを設計者は認識することが大切であると言われていました。つまり、建築設計者は常に責任感を持って仕事を成し遂げるべきで、決して他人のせいにするような無責任な設計をしてはいけないと、強く述べられていました。完成した建物の良し悪しは、設計者の責任感の重さに起因するのであるから、責任感を強く持って建築設計に取り組まなければいけないといわれていました。

4.感謝

今回は私の今までの経験談による自己的なことを述べさせていただきましたが、いまは、とてもその先生に心から感謝し、敬服しています。敢えて個人名は伏せさせていただきますが、人生のなかでの短い時間ですが、その先生と出会い、そしていろいろとアドバイスを頂いたことが、私にとっては、重く人生に影響しています。私が、建築設計者として今まで紆余曲折な人生のなかでも挫折せずにやり遂げられてきたことは、先生との出会いの中における短い言葉ですが貴重なアドバイスのおかげだと思っています。これから私も高齢者の仲間になっていくのですが、最後まで建築設計業務に携わっていきます。それは、建築設計業務がヒューマニズムを大切にするからこそ、私の取り組む姿勢を廻りの若い方々に観てもらい、ある一人の生きざまを実感してほしいと思います。これからは、若い後輩たちにとって、少しでも役に立ち、そして目先の仕事を一つ一つやり遂げながら、各々、自分なりに納得できる建物を設計し完成させて、そして我が社のために活躍して頂きたいと強く思う所存でございます。どうぞ何卒、引き続きよろしくお願いいたします。