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2026/10/22 |  社員ブログ

知っておくべき「AIとセキュリティ」の関係

皆様、こんにちは。豊和開発株式会社 経営企画部の山田です。前回のコラムでは、身近な日常に潜む情報漏洩リスクと、それを防ぐ「情報リテラシー」の大切さについてお話ししました。

さて、最近のビジネス現場や日常において、切っても切り離せない存在となっているのが「AI(人工知能)」です。文章の作成や要約、データ分析、画像生成など、業務の効率化を劇的に進めてくれるAIツールは、いまや強力なパートナーとなりつつあります。

しかし、技術が急速に進化する一方で、「AIとセキュリティ」に関する新たなリスクや課題が次々と浮かび上がっています。AIは私たちの仕事を助けてくれる素晴らしい道具であると同時に、扱い方を誤ると重大な情報トラブルの引き金にもなり得るのです。今回は、AI時代において企業や個人が知っておくべきセキュリティのリスクと、安全にAIを活用していくための考え方について、分かりやすく紐解いていきます。

- 目次 -
CONTENTS

1.急速に広がるAI利用と、身近に潜む「情報入力」のリスク

AIツールの利便性が増すにつれ、多くの人が業務で文章の添削やアイデア出しなどに活用するようになりました。しかし、ここで最も注意しなければならないのが「入力する情報の中身」です。
社外秘の企画書や顧客のデータをそのまま生成AIの入力欄に貼り付けてしまうと、それがAIの「学習データ」として取り込まれ、結果的に他社のユーザーへの回答として流出してしまうリスクが存在します。「作業を効率化したい」という前向きな気持ちが思わぬ情報漏洩に繋がるため、機密情報は入力しないというルールの徹底が不可欠です。

【日常にも潜む同じ罠。放置されたデータが狙われる】
このように「入力したデータが、自分の手の届かない外部でどう扱われるか分からない」という恐ろしさは、業務中のAI利用に限った話ではありません。実は、私たちの身近な私生活の中にも、全く同じ構造のリスクが潜んでいます。それが、Webサービスへの「個人情報の入力と放置」です。

「ちょっと便利になるから」「割引やプレゼントが付くから」といった理由で、軽い気持ちで個人情報を入力したWebサービスやアプリはありませんか?昨今、企業のセキュリティの脆弱性(システムの隙)が突かれ、個人情報が大量に流出する事件が相次いでいますが、その被害を拡大させている大きな原因が、こうした「登録したまま放置されている個人情報」なのです。

多くの場合、「もう使わないから」と基本の解約(退会)手続きをしたとしても、運営側のサーバー内には一定期間、または半永久的にデータが残り続けている懸念があります。つまり、退会済みであっても、その企業がサイバー攻撃を受ければあなたの情報が流出してしまうのです。

もし本質的な自己防衛をするならば、ただ解約ボタンを押すのではなく、解約する直前にアカウントの登録情報(氏名、住所、電話番号など)を「架空のダミーデータ」に変更・上書き保存し、その上で解約手続きを行うべきです。
業務でのAI利用も、日常のアプリ登録も、手軽な入力の裏側に潜む「その情報はどこに保管され、どう狙われるか」を想像する点においては全く同じです。この想像力を持つことこそが、企業の大切な情報を守り、ひいては自分自身の身を守る確実な第一歩となります。

2.攻撃者も活用する?高度化・巧妙化するAI時代のサイバー脅威

AIの進化は、私たち「守る側」だけでなく、残念ながらサイバー攻撃を仕掛ける「攻撃者側」にとっても強力な武器となっています。これにより、これまで以上に攻撃の手口が巧妙化・高度化しています。

代表的な例が、フィッシングメールの進化です。これまでは「日本語の文章がどこか不自然」「文法がおかしい」といった違和感から偽メールだと見破ることができました。しかし現在では、攻撃者が生成AIを使うことで、自然で完璧な日本語の案内文や、実際の取引先からの連絡を完璧に模倣した文面を瞬時に作成できるようになっています。

さらに、経営層や家族の声をAIで合成して電話をかけ、金を騙し取る詐欺や、企業のシステムの隙間(脆弱性)を自動で見つけ出すプログラムなど、AIが悪用されるケースは年々複雑化しています。「違和感のあるメールを開かない」という従来の注意喚起だけでは防ぎきれない時代が、すぐそこまで来ているのです。

3.守る側もAIで進化!システム防衛の最前線(AI vs AI)

攻撃者がAIを利用する一方で、企業のシステムや情報を守るセキュリティ対策の現場でも、AIは非常に頼もしい守護神として活躍しています。現代のセキュリティは、まさに「AI vs AI」の様相を呈しています。

例えば、企業のサーバーやネットワークの裏側では、24時間365日膨大な量の通信が行われています。前回のコラムでお話しした「無差別にドアノブを回すような不審なアクセス」を人間が目視で監視し続けるのは不可能です。ここでAIの解析技術が威力を発揮します。

最新のセキュリティシステムに組み込まれたAIは、通常のアクセスパターンを学習しており、普段とは異なる「ほんのわずかな異常な挙動」や「未知のパターンの攻撃」を瞬時に検知し、自動で遮断・隔離することができます。外部からの脅威が高速かつ多様化する中で、見えない裏側の防衛戦を自動化・高度化させていくためにも、AI技術によるシステム保護は今や欠かせない存在となっています。

4.AI時代を生き抜く「ルール作り」と「人間の判断力」

AIという強力な技術が存在する現代において、企業が取るべき姿勢は「危険だからAIを全面禁止にする」ことではありません。リスクを正しく理解した上で、「いかに安全に活用して業務成果につなげるか」というポジティブなアプローチが必要です。

そのためには、まず社内での明確なガイドライン(利用ルール)の策定が欠かせません。「入力して良い情報の範囲」「安全なAIツールの選定」「生成された成果物の取り扱い」などをルール化し、社員全体で共有することが第一歩となります。

そして何より重要なのは、AIが出してきた回答をそのまま鵜呑みにしない「人間の判断力(ファクトチェック)」です。AIは時に、もっともらしい嘘(ハルシネーションと呼ばれる現象)を出力することがあります。最終的な情報の正当性を確認し、責任を持つのはどこまで行っても「人間」です。AIを便利なツールとして使いこなしつつも、鵜呑みにせず一歩立ち止まって検証する姿勢こそが、これからの時代に求められる真の情報リテラシーと言えます。